中心から頂点までの距離が $R$ である正五角形の面積は、
$\dfrac{5R^2}{8}\sqrt{10+2\sqrt{5}}\simeq 2.38R^2$
一辺の長さが $a$ である正五角形の面積は、
$\dfrac{a^2}{4}\sqrt{25+10\sqrt{5}}\simeq 1.72a^2$
中心から頂点までの距離が分かっている場合
図のように、正五角形を5つの合同な三角形に分割します。5つの三角形は頂角が $360\div 5=72^{\circ}$ の二等辺三角形なので、その面積は、
$T=\dfrac{1}{2}\cdot R^2\sin 72^{\circ}$
です。
次に、$\cos 72^{\circ}=\dfrac{\sqrt{5}-1}{4}$ であること(これは有名なので覚えておきましょう、証明は→cos72度、sin18度の2通りの求め方をどうぞ)を用いて $\sin 72^{\circ}$ を計算します:
$\sin 72^{\circ}=\sqrt{1-\left(\dfrac{\sqrt{5}-1}{4}\right)^2}\\
=\dfrac{1}{4}\sqrt{16-5+2\sqrt{5}-1}\\
=\dfrac{1}{4}\sqrt{10+2\sqrt{5}}$
よって、正五角形の面積は、
$5T=\dfrac{5R^2}{2}\times\dfrac{1}{4}\sqrt{10+2\sqrt{5}}\\
=\dfrac{5R^2}{8}\sqrt{10+2\sqrt{5}}$
一辺の長さが分かっている場合
中心から頂点までの距離を $R$ とします。
三角形 $ABC$ に正弦定理を使うと(→正弦定理を使う例題2問と証明)$\dfrac{a}{\sin 36^{\circ}}=2R$ となります。
よって「中心から頂点までの距離が分かっている場合」の公式に $R=\dfrac{a}{2\sin 36^{\circ}}$ を代入すると、求める面積は、
$S=\dfrac{5}{8}\sqrt{10+2\sqrt{5}}\cdot\dfrac{a^2}{4\sin^2 36^{\circ}}$
となります。さらに、半角の公式を使うと、$4\sin^2 36^{\circ}=2-2\cos 72^{\circ}=\dfrac{5-\sqrt{5}}{2}$ なので、
$S=\dfrac{5a^2}{8}\sqrt{10+2\sqrt{5}}\cdot\dfrac{2}{5-\sqrt{5}}\\
=\cdots\\
=\dfrac{a^2}{4}\sqrt{25+10\sqrt{5}}$
なお、最後の計算は省略しましたが、少しめんどくさいです。分母の有理化をしてから $\dfrac{a^2}{4}$ 以外を全部ルートの中に押しこんで計算します。
次回は cos72度、sin18度の2通りの求め方 を解説します。