logxの微分が1/xであることの証明をていねいに

最終更新日 2017/11/05

$y=\log x$ の微分は、$y’=\dfrac{1}{x}$

微分公式の証明

1.微分係数の定義

$(\log x)’\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\log(x+h)-\log x}{h}$

2.対数の公式を使って、logの中に全部おしこむ

$=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{h}\log\left(\dfrac{x+h}{x}\right)$ →補足1
$=\displaystyle\lim_{h\to 0}\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$ →補足2

3.$\dfrac{1}{x}\times x$ をかけて指数に $\dfrac{x}{h}$ を作る

$=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{x}\times x\times\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$
$=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{x}\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{x}{h}}$ →補足3
$=\dfrac{1}{x}$ →補足4

補足1

対数の公式:
$\log M-\log N=\log\dfrac{M}{N}$
で $M\to x+h$、$N\to x$ とすると、
$\log(x+h)-\log x=\log\left(\dfrac{x+h}{x}\right)$
となります。

なお、対数の公式の証明は、対数計算の公式一覧(基礎5個+発展4個)を参照してください。

補足2

対数の公式:
$a\log M=\log M^a$
で $a\to \dfrac{1}{h}$、$M \to 1+\dfrac{h}{x}$ とすると、
$\dfrac{1}{h}\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)=\log \left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$
となります。

補足3

対数の公式:
$a\log M=\log M^a$
で $a\to x$、$M \to \left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}$ とすると、
$x\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{1}{h}}=\log \left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{x}{h}}$
となります。

補足4

自然対数の底 $e$ の定義より
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{x}{h}}=e$
です。両辺の対数を取ると、
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\log\left(1+\dfrac{h}{x}\right)^{\frac{x}{h}}=1$
となります。

関連:ネイピア数(自然対数の底)の意味と、重要である理由

ちなみに、$(\log x)^2$ の微分は $\dfrac{2\log x}{x}$ です。また、$\log |x|$ の微分も $\dfrac{1}{x}$ となります。
関連:1/xの積分公式の証明、絶対値がつく理由

次回は タンジェントの微分を3通りの方法で計算する を解説します。

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