平方根を含む式の微分のやり方

最終更新日 2018/10/27

ルートの微分公式:
$(\sqrt{x})’=\dfrac{1}{2\sqrt{x}}$
(別の書き方)
$(x^{\frac{1}{2}})’=\dfrac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}$

単純なルートの微分とその証明

冒頭でも述べましたが、$\sqrt{x}$ の微分は、$\dfrac{1}{2\sqrt{x}}$ です。

~証明1~
一般的な公式:$(x^{\alpha})’=\alpha x^{\alpha-1}$ で $\alpha=\dfrac{1}{2}$ とすればOKです。

~証明2~
微分の定義より、$(\sqrt{x})’=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\sqrt{x+h}-\sqrt{x}}{h}$ です。
この分母分子に $(\sqrt{x+h}+\sqrt{x})$ をかけて分子を有理化すると、
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{h}{h(\sqrt{x+h}+\sqrt{x})}$
となります。$h\to 0$ で $\sqrt{x+h}\to \sqrt{x}$ となるので上式は $\dfrac{1}{2\sqrt{x}}$ となります。
関連:分子の有理化と極限の問題

ちなみに、三乗根以上については三乗根、累乗根の微分を参照してください。

$\sqrt{3x+1}$、$\sqrt{x^2+1}$ の微分

ルートを含む式の微分は、$(\sqrt{x})’=\dfrac{1}{2\sqrt{x}}$ という公式と合成関数の微分公式を組み合わせた式:$(\sqrt{f(x)})’=\dfrac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}}$
を使って解きます。

例題1:$\sqrt{3x+1}$ の微分
$(\sqrt{3x+1})’\\
=\dfrac{1}{2\sqrt{3x+1}}\cdot(3x+1)’\\
=\dfrac{3}{2\sqrt{3x+1}}$

例題2:$\sqrt{x^2+1}$ の微分
$(\sqrt{x^2+1})’\\
=\dfrac{1}{2\sqrt{x^2+1}}\cdot (x^2+1)’\\
=\dfrac{x}{\sqrt{x^2+1}}$
ちなみに、$\sqrt{x^2+1}$ の積分は相当大変です!→√x^2+1の積分を3ステップで分かりやすく解説

その他ルートを含む式の微分

$\log$や分数とルートが混ざった式の微分です。

例題3:$\log (\sqrt{x}+1)$ の微分
$\{\log (\sqrt{x}+1)\}’\\
=\dfrac{(\sqrt{x}+1)’}{\sqrt{x}+1}\\
=\dfrac{1}{2\sqrt{x}(\sqrt{x}+1)}$

例題4:$\sqrt{\dfrac{1}{x+1}}$ の微分
$\left(\sqrt{\dfrac{1}{x+1}}\right)’\\
=\dfrac{1}{2\sqrt{\frac{1}{x+1}}}\cdot \left(\dfrac{1}{x+1}\right)’\\
=\dfrac{1}{2\sqrt{\frac{1}{x+1}}}\cdot\dfrac{(-1)}{(x+1)^2}\\
=-\dfrac{1}{2(x+1)\sqrt{x+1}}$

次回は 分数関数の微分(商の微分公式) を解説します。

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