三乗根、累乗根の微分

最終更新日 2017/11/05

累乗根の微分公式:
$x$ の $n$ 乗根 $\sqrt[n]{x}=x^{\frac{1}{n}}$ の微分は、$\dfrac{1}{n}x^{\frac{1}{n}-1}$

公式の覚え方、具体例

累乗根の微分は、まず、累乗根を $x^{\alpha}$ という形に直した上で、指数部分を前に出して、指数部分は $1$ を引くとおぼえましょう。

例えば、$x$ の三乗根 $\sqrt[3]{x}$ は $x^{\frac{1}{3}}$ と直せて、その微分は
$\tfrac{1}{3}x^{\frac{1}{3}-1}=\tfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}$
となります。

例題:$x$ の四乗根:$\sqrt[4]{x}$ を微分せよ。

解答:$\sqrt[4]{x}=x^{\frac{1}{4}}$ と直せて、その微分は $\tfrac{1}{4}x^{\frac{1}{4}-1}$$=\tfrac{1}{4}x^{-\frac{3}{4}}$ です。

ちなみに、$n=2$ の場合は平方根を含む式の微分のやり方で詳しく解説しています。

三乗根の微分の証明

微分の定義に従って、三乗根の微分公式を導出してみましょう。

$y=\sqrt[3]{x}$ の微分は、定義より、
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\sqrt[3]{x+h}-\sqrt[3]{x}}{h}$
となります。

ここで、分母分子に $(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2$ をかけると、$(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3$ という展開公式により分子が綺麗になります:
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{(x+h)-x}{h\{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2\}}\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2}$

分母の3つの項は、いずれも $h\to 0$ で $x^{\frac{2}{3}}$ に収束します。よって、求める微分は $\dfrac{1}{3x^{\frac{2}{3}}}=\dfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}$

分子の有理化を行うことで、極限の計算を行いました。これはよく使うテクニックです。

一般的な公式を導出する

より一般に、$y=x^{\alpha}$ の微分が $\alpha x^{\alpha-1}$ になることを証明します。($\alpha=\dfrac{1}{n}$ の場合が冒頭の公式です)

一般の場合には、分子を有理化するテクニックではうまくいきません。対数微分法という技を使います。

まず $y=x^{\alpha}$ の両辺の対数を取ると、$\log y=\alpha \log x$

この両辺を $x$ で微分すると、
$\dfrac{y’}{y}=\dfrac{\alpha}{x}$

よって、
$y’=y\dfrac{\alpha}{x}=\alpha x^{\alpha-1}$

次回は logxの微分が1/xであることの証明をていねいに を解説します。

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