累乗根の微分公式:
x の n 乗根 n√x=x1n の微分は、1nx1n−1
公式の覚え方、具体例
例えば、x の三乗根 3√x は x13 と直せて、その微分は
13x13−1=13x−23
となります。
例題:x の四乗根:4√x を微分せよ。
解答:4√x=x14 と直せて、その微分は 14x14−1=14x−34 です。
ちなみに、n=2 の場合は平方根を含む式の微分のやり方で詳しく解説しています。
三乗根の微分の証明
y=3√x の微分は、定義より、
lim
となります。
ここで、分母分子に (\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2 をかけると、(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3 という展開公式により分子が綺麗になります:
\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{(x+h)-x}{h\{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2\}}\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2}
分母の3つの項は、いずれも h\to 0 で x^{\frac{2}{3}} に収束します。よって、求める微分は \dfrac{1}{3x^{\frac{2}{3}}}=\dfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}
一般的な公式を導出する
より一般に、y=x^{\alpha} の微分が \alpha x^{\alpha-1} になることを証明します。(\alpha=\dfrac{1}{n} の場合が冒頭の公式です)
まず y=x^{\alpha} の両辺の対数を取ると、\log y=\alpha \log x
この両辺を x で微分すると、
\dfrac{y’}{y}=\dfrac{\alpha}{x}
よって、
y’=y\dfrac{\alpha}{x}=\alpha x^{\alpha-1}
次回は logxの微分が1/xであることの証明をていねいに を解説します。