累乗根の微分公式:
$x$ の $n$ 乗根 $\sqrt[n]{x}=x^{\frac{1}{n}}$ の微分は、$\dfrac{1}{n}x^{\frac{1}{n}-1}$
公式の覚え方、具体例
例えば、$x$ の三乗根 $\sqrt[3]{x}$ は $x^{\frac{1}{3}}$ と直せて、その微分は
$\tfrac{1}{3}x^{\frac{1}{3}-1}=\tfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}$
となります。
例題:$x$ の四乗根:$\sqrt[4]{x}$ を微分せよ。
解答:$\sqrt[4]{x}=x^{\frac{1}{4}}$ と直せて、その微分は $\tfrac{1}{4}x^{\frac{1}{4}-1}$$=\tfrac{1}{4}x^{-\frac{3}{4}}$ です。
ちなみに、$n=2$ の場合は平方根を含む式の微分のやり方で詳しく解説しています。
三乗根の微分の証明
$y=\sqrt[3]{x}$ の微分は、定義より、
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{\sqrt[3]{x+h}-\sqrt[3]{x}}{h}$
となります。
ここで、分母分子に $(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2$ をかけると、$(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3$ という展開公式により分子が綺麗になります:
$\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{(x+h)-x}{h\{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2\}}\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{1}{(\sqrt[3]{x+h})^2+\sqrt[3]{x+h}\sqrt[3]{x}+(\sqrt[3]{x})^2}$
分母の3つの項は、いずれも $h\to 0$ で $x^{\frac{2}{3}}$ に収束します。よって、求める微分は $\dfrac{1}{3x^{\frac{2}{3}}}=\dfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}$
一般的な公式を導出する
より一般に、$y=x^{\alpha}$ の微分が $\alpha x^{\alpha-1}$ になることを証明します。($\alpha=\dfrac{1}{n}$ の場合が冒頭の公式です)
まず $y=x^{\alpha}$ の両辺の対数を取ると、$\log y=\alpha \log x$
この両辺を $x$ で微分すると、
$\dfrac{y’}{y}=\dfrac{\alpha}{x}$
よって、
$y’=y\dfrac{\alpha}{x}=\alpha x^{\alpha-1}$
次回は logxの微分が1/xであることの証明をていねいに を解説します。