通分:いくつかの分数の分母をそろえること。
例:$\dfrac{1}{2}$ と $\dfrac{1}{4}$ を通分すると $\dfrac{2}{4}$ と $\dfrac{1}{4}$
通分の具体例
$\dfrac{1}{2}$ と $\dfrac{1}{4}$ という二つの分数は、分母が $2$ と $4$ でそろっていません。
そこで、分母と分子に同じ数字をかけても変わらないので、$\dfrac{1}{2}$ の分母と分子に $2$ をかけると
$\dfrac{2}{4}$ と $\dfrac{1}{4}$ という分母が同じ二つの分数で表せます。
このように、分母が同じ二つの分数にすることを通分と言います。
補足:ケーキを「$2$ つにわけてそのうちの $1$ つを食べる($\tfrac{1}{2}$)」「$4$ つにわけてそのうちの $2$ つを食べる($\tfrac{2}{4}$)」というのは同じことですね。
通分の仕方
例題:
$\dfrac{1}{4}$ と $\dfrac{2}{3}$ を通分せよ。
答え:
$\dfrac{1}{4}$ について、相方の分母は $3$ であるので、分母と分子に $3$ をかけると、$\dfrac{3}{12}$ となる。
一方、$\dfrac{2}{3}$ について、相方の分母は $4$ であるので、分母と分子に $4$ をかけると、$\dfrac{8}{12}$ となる。
よって、$\dfrac{1}{4}$ と $\dfrac{2}{3}$ を通分すると、$\dfrac{3}{12}$ と $\dfrac{8}{12}$ となる。
数字が大きい場合の練習問題
例題:
$\dfrac{1}{8}$ と $\dfrac{5}{12}$ を通分せよ。
答え1:
$\dfrac{1}{8}$ の分母と分子に $12$ をかけると、$\dfrac{12}{96}$
$\dfrac{5}{12}$ の分母と分子に $8$ をかけると、$\dfrac{40}{96}$
よって、$\dfrac{1}{8}$ と $\dfrac{5}{12}$ を通分すると、$\dfrac{12}{96}$ と $\dfrac{40}{96}$ である(これを答えとしても間違いではない)。さらに、これら二つの分数は同じ数で約分できる(両方とも分母も分子も $4$ でわれる)ので、結局答えは $\dfrac{3}{24}$ と $\dfrac{10}{24}$
答え2:
$\dfrac{1}{8}$ の分母と分子に $3$ をかけると、$\dfrac{3}{24}$
$\dfrac{5}{12}$ の分母と分子に $2$ をかけると、$\dfrac{10}{24}$
よって、答えは$\dfrac{3}{24}$ と $\dfrac{10}{24}$
基本的には、相方の分母を自分の分母と分子にかけるという考え方でOKですが(→答え1)分母分子にかける数を工夫すると計算が楽になります(→答え2)。実は、通分した後の両方の分母は、通分前の二つの分母の最小公倍数になります。たくさん通分してコツをつかんでください!
3つの分数の通分
例題:
$\dfrac{1}{4}$ と $\dfrac{2}{3}$ と $\dfrac{5}{6}$ を通分せよ。
答え:
まず、$\dfrac{1}{4}$ と $\dfrac{2}{3}$ を通分すると、$\dfrac{3}{12}$ と $\dfrac{8}{12}$ である(最初の例題でやった)。これらと、$\dfrac{5}{6}$ を通分するために、$\dfrac{5}{6}$ の分母分子に $2$ をかけると $\dfrac{10}{12}$ となり、分母が全て $12$ になる。
つまり、答えは $\dfrac{3}{12}$ と $\dfrac{8}{12}$ と $\dfrac{10}{12}$
もっと詳しく
通分以外にも、分数のいろいろな計算のやり方は?
→分数の計算の基本問題10問
通分の逆っぽい操作である「約分」の意味は?
→約分のやり方と計算ツール
次回は 真分数、仮分数、帯分数の意味と例題 を解説します。