理想気体の圧力、体積、温度の関係と、それぞれの計算例を紹介します。
圧力と体積の関係(ボイルの法則)
温度が一定のとき、気体の圧力と体積は反比例します。
これをボイルの法則と言います。
つまり、圧力を $P$、体積を $V$ とすると、
$PV=一定$
となります。
よって、温度を変えずに
圧力を2倍にすると体積は $\dfrac{1}{2}$ 倍になり、
圧力を3倍にすると体積は $\dfrac{1}{3}$ 倍になります。
計算例:
例えば、圧力が $10000\:\mathrm{Pa}$ のときの体積が $4\:\mathrm{m^3}$ である気体の圧力を $40000\:\mathrm{Pa}$ にしたときの体積 $V$ を計算してみましょう。
圧力を4倍にすると体積は $\dfrac{1}{4}$ 倍になるので、
$V=4\times\dfrac{1}{4}=1$
つまり $1\:\mathrm{m^3}$ になります。
体積と温度の関係(シャルルの法則)
圧力が一定のとき、気体の体積と温度は比例します。
これをシャルルの法則と言います。ただし、このページ全体を通じて温度は絶対温度(単位はケルビン)を使います。
絶対温度(K)と普通の温度(セルシウス温度)の意味と変換ツール
シャルルの法則を使うと、圧力を変えずに
体積を2倍にすると温度は2倍になり、
体積を3倍にすると温度は3倍になることが分かります。
ちなみに、シャルルの法則は「水蒸気の体積が水の体積の約1700倍であること」の導出にも使います。→水を水蒸気にすると体積が1700倍になる
圧力と温度の関係(ゲイリュサックの法則)
体積が一定のとき、気体の圧力と温度は比例します。
これをゲイリュサックの法則と言います。
ゲイリュサックの法則を使うと、体積を変えずに
圧力を2倍にすると温度は2倍になり、
圧力を3倍にすると温度は3倍になります。
ボイル・シャルルの法則
$\dfrac{PV}{T}$ は一定である
という法則が得られます。
これをボイル・シャルルの法則と言います。
圧力と体積を同時に変える計算例:
例えば、圧力 $P$ を2倍にして体積 $V$ を3倍にすると、絶対温度 $T$ は $2\times 3=6$ 倍になります。
圧力と温度を同時に変える計算例:
例えば、圧力 $P$ を2倍にして絶対温度 $T$ を3倍にすると、体積 $V$ は $\dfrac{3}{2}$ 倍になります。
体積と温度を同時に変える計算例:
例えば、体積 $V$ を2倍にして、温度 $T$ を3倍にすると、圧力 $P$ は $\dfrac{3}{2}$ 倍になります。
さらに、$\dfrac{PV}{T}$ の値は、気体の物質量 $n$ に比例します。この比例定数を $R$ とおくと、$\dfrac{PV}{T}=nR$
つまり、$PV=nRT$ となります。
この式を理想気体の状態方程式と言います。
次回は 気体定数Rをいろいろな単位で表す を解説します。