水を水蒸気にすると体積が1700倍になる

最終更新日 2019/07/04

液体の水水蒸気にすると、体積がおよそ1700倍になります。

水蒸気の体積は水の1700倍

このページでは、水と水蒸気の体積について解説します。水を水蒸気にすると体積が1700倍になることを、高校化学の知識を使って分かりやすく説明します。

水蒸気は水の1700倍の体積になる

1Lの水を100℃に熱して全て水蒸気にすると、体積は約1700Lになります。

つまり、1Lペットボトルの水を全て水蒸気にすると、お風呂6杯分くらいの水蒸気になると言えます。
※一般的な1人暮らしのお風呂(バスタブ)の大きさを300L弱として計算しました。

逆に、水蒸気を冷まして液体の水に戻すと、体積はおよそ1700分の1になります。つまり、お風呂6杯分の水蒸気を全て液体の水にしても、1Lにしかならないと言えます。

このように、気体の水蒸気にすると体積は非常に大きくなり、液体の水にすると体積は非常に小さくなります。

体積が1700倍になることの導出

水蒸気の体積が、水の体積の1700倍になることを導出します。高校化学の基礎知識をたくさん使います。

まず、水($\mathrm{H_2O}$)の分子量は18なので、1mol の水の重さは 18g です。

そして、標準状態(0℃、1気圧)における 1mol の気体の体積は 22.4L です。

以上より、
18g の水を標準状態で水蒸気にすると22.4Lになります。
水の密度は $1\mathrm{g/cm^3}$ なので、
0.018L の水を標準状態で水蒸気にすると22.4Lになるとも言えます。

ただし、水が水蒸気に変わるのは100℃なので、標準状態ではなく、100℃における水蒸気の体積を計算するのが妥当です。

標準状態で22.4Lの水蒸気を、100℃にしたときの体積は、シャルルの法則(→注)を使って計算すると、およそ30.6Lになります。

以上をまとめると、
0.018L の水を100℃の水蒸気にすると、30.6Lになると言えます。

よって、体積の比率は、
$0.018:30.6=1:1700$
となります。

※注:シャルルの法則とは、圧力が一定な場合、体積と絶対温度は比例するという法則です。シャルルの法則を使うと「標準状態で22.4Lの水蒸気を100℃にしたときの体積」は、
$22.4\times\dfrac{373}{273}=30.6\:\mathrm{L}$
のように計算できます。

シャルルの法則の詳細は 圧力、体積、温度の関係(ボイル・シャルルの法則) で解説しています。

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