$(x\cos x)’=\cos x-x\sin x$
$\displaystyle\int x\cos xdx$$=x\sin x+\cos x+C$
微分
$(x\cos x)’=\cos x-x\sin x$ であることを証明します。
積の微分公式:$(fg)’=f’g+fg’$ を使います。→積の微分公式の頻出問題6問
$(x\cos x)’\\
=x’\cos x+x(\cos x)’\\
=\cos x-x\sin x$
グラフ
$y=x\cos x$ のグラフの概形について考えます。
微分した式 $y’=\cos x-x\sin x$ は複雑で使い物になりません。増減表を利用してグラフを書くのは難しいです。
そこで、$\cos x$ が $-1$ から $1$ の間を周期的に変化していることに注意すると、$x\cos x$ のグラフは
$y=-x$ と $y=x$ の間を周期的に変化するような形になることが分かります。
具体的には、$y=x$ と $y=-x$ のグラフ(緑色の点線)を書いてから、それらにつぶされた(押し広げられた) $\cos x$ のグラフを書くような感じです。
積分
$\displaystyle\int x\cos xdx$$=x\sin x+\cos x+C$
であることを部分積分を用いて証明します。
$\cos x$ を積分すると $\sin x$、
$x$ を微分すると $1$ なので、
$\displaystyle\int x\cos xdx\\
=x(\sin x)-\displaystyle\int 1\cdot(\sin x)dx\\
=x\sin x+\cos x+C$
となります。
「多項式と三角関数の積の積分は部分積分を使う」と覚えておきましょう。
xcosxは偶関数
$f(x)=x\cos x$ とおくと、
$f(-x)=(-x)\cos (-x)\\
=-x\cos x$
となるので、$f(x)$ は奇関数です。グラフは原点対称になっています。これを利用して定積分を簡単に計算することができます。
例:
$\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}x\cos xdx=0$
次回は y=e^xのグラフをきれいに書く6つのコツ を解説します。