2^xや3^xの微分と積分

最終更新日 2017/11/05

~微分~
$2^x$ の微分は $2^x\log 2$
$3^x$ の微分は $3^x\log 3$
一般に、$a^x$ の微分は $a^x\log a$

~不定積分~
$\displaystyle\int 2^xdx=\dfrac{2^x}{\log 2}+C$
$\displaystyle\int 3^xdx=\dfrac{3^x}{\log 3}+C$
一般に、$\displaystyle\int a^xdx=\dfrac{a^x}{\log a}+C$

$2^x$の微分公式とその証明

$3^x$ や一般の $a^x\:(a>0, a\neq 1)$ の場合も同様なので、$2^x$ の場合で考えてみます。
まずは微分公式 $(2^x)’=2^x\log 2$ を証明してみます。

なお、このページの $\log$ の底は全て $e$ です。
関連:ネイピア数(自然対数の底)の意味と、重要である理由

$y=2^x$ について、両辺を $e$ を底とする対数を取ると、
$\log y=x\log 2$

この両辺を $x$ で微分すると、
$\dfrac{y’}{y}=\log 2$
となります。
関連:logxの微分が1/xであることの証明をていねいに

よって、$y’=y\log 2$
最後に $y=2^x$ を右辺に使うと、
$y’=2^x\log 2$
となります。

$2^x$ の積分公式とその証明

指数関数の微分ができれば積分は簡単です。
$\displaystyle\int 2^xdx=\dfrac{2^x}{\log 2}+C$
を証明してみます。

$2^x$ の微分は $2^x\log 2$ です(さっき証明した)。

(よって、$\log 2$ で割ると)
$\dfrac{2^x}{\log 2}$ の微分は $2^x$ です。

これは、$2^x$ の原始関数の一つが $\dfrac{2^x}{\log 2}$ であることを表しています。

補足、まめ知識

$(2^x)’=2^x\log 2$ の導出には対数微分法を使いましたが、頑張れば微分の定義に従って計算することもできます:
$(2^x)’=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{2^{x+h}-2^x}{h}\\
=\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{2^x(2^h-1)}{h}\\
=2^x\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{e^{\log 2^h}-1}{h}\\
=2^x\displaystyle\lim_{h\to 0}\dfrac{e^{h\log 2}-1}{h\log 2}\cdot \log 2\\
=2^x\cdot 1\cdot \log 2$

特に、$e^x$ は微分しても積分しても $e^x$ のままです! 微分しても変わらない関数というのは $e^x$ という関数だけが持つ面白い性質です。

次回は 1/e^x+1の積分と、関連する練習問題 を解説します。

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