有理数と無理数の意味といろいろな例

最終更新日 2018/10/31

有理数とは、整数÷整数の形で表すことができる数のことです。有理数の例としては、$\dfrac{2}{3}$ などがあります。
無理数とは、有理数でない実数のことです。無理数の例としては、$\sqrt{2}$、$\pi$、$e$ などがあります。

このページでは、有理数と無理数の定義と具体例について詳しく解説します。

有理数とは

有理数とは、整数÷整数の形で表すことができる数のことです。

例えば、$\dfrac{2}{3}$ という分数は、$2\div 3$ と同じです。つまり、整数÷整数の形で表すことができるので、有理数になります。

有理数の例

$\dfrac{2}{3}$ のような普通の分数(整数÷整数)が有理数になることは分かりましたが、他にはどのような数が有理数になるでしょうか?

有理数の例1:整数

例えば、$2$ という数は有理数です。なぜなら、$2=\dfrac{2}{1}$ のように、整数÷整数の形で表すことができるからです。同様に、$2$ 以外も全ての整数は有理数です。

有理数の例2:有限小数

例えば $0.3$ という数は有理数です。なぜなら、$0.3=\dfrac{3}{10}$ のように、整数÷整数の形で表すことができるからです。同様に、全ての有限小数は分数(整数÷整数の形)で表すことができるので、有理数です。
→小数を分数に直す:方法と例題

有理数の例3:循環小数

例えば、$0.1111\cdots$ という循環小数(無限に $1$ が続いていく小数)は有理数でしょうか?実は、$0.1111\cdots =\dfrac{1}{9}$ のように、整数÷整数の形で表すことができるので、有理数です。実際、全ての循環小数は、分数で表すことができます。

また、有理数は必ず上の3つ(整数、有限小数、循環小数)のいずれかであることが知られています。

無理数の定義と例

有理数でない実数(つまり、整数÷整数の形で表せない数)を無理数と言います。

無理数は、有理数よりもつかみどころのない数です。無限小数で循環しないものが無理数になります。無理数の例を見ていきましょう。

無理数の例1:ルート、累乗根

$\sqrt{2}=1.41421356\cdots$ は循環しない無限小数なので、無理数です(背理法を用いて簡単に証明できます)。
同様に、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$、$\sqrt{6}$ なども無理数です。
また、$\sqrt[3]{2}$ (2の三乗根、高校数学で習う数)も無理数です。

無理数の例2:対数

高校数学で習う対数でも無理数が登場します。例えば、$\log_2 3$ は無理数です。これも背理法で簡単に証明できます。

無理数の例3:有名な定数

円周率 $\pi=3.1415926535\cdots$ は循環しない無限小数なので、無理数です。ただし、円周率が無理数であることの証明はわりと難しいです。
また、高校数学で習う定数である、自然対数の底 $e=2.718281828\cdots$ も無理数です。

無理数と有理数の性質

・無理数と無理数の積が有理数になることがあります(例えば $\sqrt{2}\times\sqrt{2}=2$)

・無理数の無理数乗が有理数になることがあります(例えば $2^{\log_2 3}=3$)

・有理数よりも無理数の方が圧倒的に「多い」です(多い少ないは個数ではなく濃度という概念を用いて考える)。

・無理数か有理数かすら分からない謎の定数も存在します(例えばオイラー定数)。

次回は 有理数と無理数の和と積について を解説します。

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