地図や図面において、縮尺、実際の長さ、地図上の長さといった量を計算したい場合は、以下の公式を使います。
地図上の長さ $=$ 実際の長さ $\times$ 縮尺
実際に、縮尺、実際の長さ、地図上の長さそれぞれを計算する公式と具体例を解説します。
縮尺を計算する方法
縮尺を計算する場合は、冒頭の公式を変形した以下の公式を使います。
縮尺の計算例
実際の長さ(実際の距離)が2km(つまり2000m)であるような部分について、地図上の長さは2mであった。このような地図の縮尺を計算すると、
縮尺 $=$ 地図上の長さ $\div$ 実際の長さ
$=2\div 2000=0.001$
となります。縮尺は分数で表すことが多いので、$0.001$ を分数に直すと、縮尺は1/1000と言うことができます。
実際の長さ(実際の距離)を計算する方法
実際の長さを計算する場合は、冒頭の公式を変形した以下の公式を使います。
実際の長さの計算例
縮尺が1/100の地図において、地図上の距離が3cmであるような部分の、実際の長さを計算してみると、
実際の長さ $=$ 地図上の長さ $\div$ 縮尺
$=3\div\dfrac{1}{100}\\
=300$
となります。300cmをメートルに直すと、実際の長さは3mであることが分かります。
実際の長さを計算するための早見表
縮尺 | (1cmあたりの)実際の長さ |
1/10 | 10cm |
1/50 | 50cm |
1/100 | 1m |
1/500 | 500cm |
1/1000 | 10m |
1/5000 | 5000cm |
1/10000 | 100m |
1/50000 | 50000cm |
1/100000 | 1km |
1/1000000 | 10km |
1/10000000 | 100km |
縮尺が小さくなればなるほど、実際の長さは長くなります。
地図上の長さ(地図上の距離)を計算する方法
地図上の長さを計算する場合は、以下の公式を使います。
地図上の長さの計算例
縮尺が1/10000の地図において、実際の距離が42kmであるような部分の、地図上の長さを計算してみると、
地図上の長さ $=$ 実際の長さ $\times$ 縮尺
$=42\times\dfrac{1}{10000}\\
=0.0042$
となります。0.0042kmをメートルに直すと4.2メートルになります。つまり、地図上の長さは4.2mであることが分かります。
縮尺計算のコツ
地図上の長さを定規などを使って測定する場合には「できるだけ長い部分を測定すると、誤差が小さくなりやすい」ことを意識しておきましょう。
例えば、与えられた図面の縮尺を計算するときには、できるだけ長い部分を決めて、それからその部分の地図上の長さと実際の長さを測定しましょう。
短い部分で測定すると、1mmなどのちょっとのズレでもそれなりの誤差になってしまいます。
参考:相対誤差の計算方法と意義
次回は 最小公倍数の2通りの求め方(3つの場合も) を解説します。