$\sin 3x=-4\sin^3x+3\sin x$
$\cos 3x=4\cos^3x-3\cos x$
$\tan 3x=\dfrac{3\tan x-\tan^3x}{1-3\tan^2x}$
加法定理を用いた証明
サインの証明
$\sin 3x\\
=\sin(2x+x)$
$=\sin 2x\cos x+\cos 2x\sin x$
$=2\sin x\cos x\cdot\cos x\\
\:\:+(1-2\sin^2x)\sin x\\
=2\sin x(1-\sin^2x)\\
\:\:+\sin x-2\sin^3x\\
=-4\sin^3x+3\sin x$
コサインの証明
$\cos 3x\\
=\cos(2x+x)$
$=\cos 2x\cos x-\sin 2x\sin x$
$=(2\cos^2 x-1)\cos x\\
\:\:-2\sin^2x\cos x\\
=2\cos^3 x-\cos x\\
\:\:-2\cos x+2\cos^3x\\
=4\cos^3x-3\cos x$
タンジェントの証明
$\tan 3x\\
=\tan(2x+x)\\
=\dfrac{\tan 2x+\tan x}{1-\tan 2x\tan x}\\
=\dfrac{\frac{2\tan x}{1-\tan^2x}+\tan x}{1-\frac{2\tan x\cdot\tan x}{1-\tan^2x}}$
分母分子に $1-\tan^2x$ をかけると、
$\dfrac{3\tan x-\tan^3x}{1-3\tan^2x}$
となります。
ド・モアブルの定理を用いた証明
ド・モアブルの定理(複素数の定理)を使うと、
$(\cos x+i\sin x)^3\\
=\cos 3x+i\sin 3x$
となります。
この式の左辺を展開すると、
$\cos^3x+3i\cos^2x\sin x\\
-3\cos x\sin^2x-i\sin^3x$
となります。
この式の実部は、
$\cos^3x-3\cos x\sin^2x\\
=\cos^3x-3\cos x(1-\cos^2x)\\
=4\cos^3x-3\cos x$
となるので、
$\cos 3x=4\cos^3x-3\cos x$
が分かります。
一方、先ほどの式の虚部は、
$i(3\cos^2x\sin x-\sin^3x)\\
=i\{3(1-\sin^2x)\sin x-\sin^3x\}\\
=i(3\sin x-4\sin^3x)$
となるので、
$\sin 3x=-4\sin^3x+3\sin x$
が分かります。
サイン、コサインからタンジェントを証明
$\tan 3x\\
=\dfrac{\sin 3x}{\cos 3x}\\
=\dfrac{-4\sin^3x+3\sin x}{4\cos^3x-3\cos x}$
この式の分母分子を $\cos^3 x$ で割ると、
$\dfrac{-4\tan^3x+3\tan x(\frac{1}{\cos^2x})}{4-\frac{3}{\cos^2x}}$
さらに、$\dfrac{1}{\cos^2x}=1+\tan^2x$ を使うと、上式は、
$\dfrac{-4\tan^3x+3\tan x+3\tan^3x}{4-3-3\tan^2x}\\
=\dfrac{3\tan x-\tan^3x}{1-3\tan^2x}$
次回は 三角関数の周期の求め方と例題6問 を解説します。