2倍角の公式の証明と頻出例題

倍角の公式(2倍角の公式)とは、$\alpha$ の三角比と $2\alpha$ の三角比の間に成立する、以下のような関係式のことです。
$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$
$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha\\
=2\cos^2\alpha-1\\
=1-2\sin^2\alpha$
$\tan 2\alpha=\dfrac{2\tan\alpha}{1-\tan^2\alpha}$

このページでは、
・倍角の公式はどんなときに使うのか?
・倍角の公式の証明方法は?
・コサインの倍角の公式3種類の使い分けは?

といった、倍角の公式に関する疑問にお答えします。

倍角の公式とは

$\alpha$ の三角比が分かっているとき、以下の公式を使って $2\alpha$ の三角比を計算することができます:

$\sin 2\alpha$ を計算したいとき:
$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$

$\cos 2\alpha$ を計算したいとき:
$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha$
または
$\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$
または
$\cos 2\alpha=1-2\sin^2\alpha$

$\tan 2\alpha$ を計算したいとき:
$\tan 2\alpha=\dfrac{2\tan\alpha}{1-\tan^2\alpha}$

これらの公式を、倍角の公式、または2倍角の公式と言います。

倍角の公式を使う例題

例題:
$\sin\alpha=\dfrac{1}{3}$ のとき、$\sin 2\alpha$ を求めよ。ただし、$0 < \alpha < \dfrac{\pi}{2}$ とする。

解答:
$\sin 2\alpha$ を計算したいので、倍角の公式:
$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$
を使います。

そのためには、まず $\cos\alpha$ を計算する必要があります。
$\sin^2\alpha+\cos^2\alpha=1$ より、
$\cos^2\alpha=1-\dfrac{1}{9}=\dfrac{8}{9}$

$0 < \alpha < \dfrac{\pi}{2}$ なので $\cos\alpha > 0$ であり、
$\cos\alpha=\dfrac{2\sqrt{2}}{3}$

よって、sinの2倍角の公式より、
$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha\\
=2\cdot\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{2\sqrt{2}}{3}\\
=\dfrac{4\sqrt{2}}{9}$

倍角の公式の証明方法

倍角の公式を1つずつ証明していきます。倍角の公式の証明には、三角関数の加法定理を知っている必要があります。

$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$
を証明してみましょう。

加法定理
$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$
の $\beta$ に $\alpha$ を代入すると、
$\sin 2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha$ が分かります。

$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha$
を証明してみましょう。

加法定理
$\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta$
の $\beta$ に $\alpha$ を代入すると、
$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha$ が分かります。

$\cos$ の2倍角の公式には他にも2種類の形があります:
$\cos 2\alpha=1-2\sin^2\alpha$
$\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$
これも証明してみましょう。

$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha$
という式で、さらに、$\cos^2\alpha=1-\sin^2\alpha$ であることを使うと、
$\cos 2\alpha=1-2\sin^2\alpha$ が分かります。

また、$\sin^2\alpha=1-\cos^2\alpha$ であることを使うと、
$\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$ が分かります。

$\tan 2\alpha=\dfrac{2\tan\alpha}{1-\tan^2\alpha}$
を証明してみましょう。

加法定理
$\tan(\alpha+\beta)=\dfrac{\tan\alpha+\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}$
の $\beta$ に $\alpha$ を代入すると、
$\tan 2\alpha=\dfrac{2\tan\alpha}{1-\tan^2\alpha}$ が分かります。

コサインの倍角公式の使い分け

コサインの倍角の公式は3つあります。
$\cos 2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha$
$\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$
$\cos 2\alpha=1-2\sin^2\alpha$
「全てを $\cos\alpha$ で表したい」場合は2つめの公式を使います。「全てを $\sin\alpha$ で表したい」場合は3つめの公式を使います。

例題:
$\cos 2\alpha=\cos\alpha$ のとき、$\alpha$ の値を求めよ。ただし、$0 < \alpha < \dfrac{\pi}{2}$ とする。

解答:
三角方程式の問題です。「全てを $\cos\alpha$ で表したい」ので、2つめの公式を使います。
$\cos 2\alpha=2\cos^2\alpha-1$
を与式に代入すると、
$2\cos^2\alpha-1=\cos\alpha$
$2\cos^2\alpha-\cos\alpha-1=0$
$(2\cos\alpha-1)(\cos\alpha+1)=0$
$\cos\alpha=\dfrac{1}{2},-1$

ここで、$0 < \alpha < \dfrac{\pi}{2}$ なので、$\alpha=60^{\circ}$

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