期待値の意味と計算方法

最終更新日 2017/11/05

期待値=(値×確率)を足し上げたもの

例1:サイコロの期待値

サイコロを1個ふったときに出る目の期待値を計算せよ。

手順1:値と確率を表にする。
この場合「値」とはサイコロの出目のことです。それぞれ確率は $\dfrac{1}{6}$ です。

$1$ $2$ $3$ $4$ $5$ $6$
確率 $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$

手順2:値と確率を積を求める。
それぞれ「値」×「確率」を計算して3行目に書きます。

$1$ $2$ $3$ $4$ $5$ $6$
確率 $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{1}{6}$
$\dfrac{1}{6}$ $\dfrac{2}{6}$ $\dfrac{3}{6}$ $\dfrac{4}{6}$ $\dfrac{5}{6}$ $\dfrac{6}{6}$

手順3:「積」を全て足す
3行目を全て足すと期待値になります。
$\dfrac{1}{6}+\dfrac{2}{6}+\dfrac{3}{6}+\dfrac{4}{6}+\dfrac{5}{6}+\dfrac{6}{6}\\
=\dfrac{21}{6}\\
=\dfrac{7}{2}$

例2:じゃんけんの期待値

次のようなゲームをしたときに、もらえる額の期待値はいくらか?

もらえる額 $0$ $100$ $1000$ $10000$
確率 $\dfrac{4}{10}$ $\dfrac{3}{10}$ $\dfrac{2}{10}$ $\dfrac{1}{10}$

手順1:値と確率を表にする。
もうすでに表になっています。

手順2:値と確率を積を求める。
それぞれ「値」×「確率」を計算して3行目に書きます。

もらえる額 $0$ $100$ $1000$ $10000$
確率 $\dfrac{4}{10}$ $\dfrac{3}{10}$ $\dfrac{2}{10}$ $\dfrac{1}{10}$
$0$ $30$ $200$ $1000$

手順3:「積」を全て足す
3行目を全て足すと、
$0+30+200+1000=1230$ 円
がもらえる額の期待値となります。

補足、まめ知識

実際に「値」「確率」「その積」の表を作るときには Excel を使うのが便利です。ただし、Excel で計算するときは縦と横をひっくり返して3列の表を作ったほうが見やすいかもしれません。

期待値の定義式をきちんと書くと、
$\displaystyle\sum_{x}xp_x$
となります。$x$ が「値」で $p_x$ が「確率」です。

連続型の確率変数の場合、シグマが積分に変わるので、期待値は
$\displaystyle\int xp(x)dx$
となります。$p(x)$ は確率密度関数です。
関連:確率密度関数から期待値と分散を求める方法

次回は コイン投げに関する確率のいろいろな問題 を解説します。

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