期待値=(値×確率)を足し上げたもの
例1:サイコロの期待値
サイコロを1個ふったときに出る目の期待値を計算せよ。
手順1:値と確率を表にする。
この場合「値」とはサイコロの出目のことです。それぞれ確率は $\dfrac{1}{6}$ です。
値 | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ |
確率 | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ |
手順2:値と確率を積を求める。
それぞれ「値」×「確率」を計算して3行目に書きます。
値 | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ |
確率 | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{1}{6}$ |
積 | $\dfrac{1}{6}$ | $\dfrac{2}{6}$ | $\dfrac{3}{6}$ | $\dfrac{4}{6}$ | $\dfrac{5}{6}$ | $\dfrac{6}{6}$ |
手順3:「積」を全て足す
3行目を全て足すと期待値になります。
$\dfrac{1}{6}+\dfrac{2}{6}+\dfrac{3}{6}+\dfrac{4}{6}+\dfrac{5}{6}+\dfrac{6}{6}\\
=\dfrac{21}{6}\\
=\dfrac{7}{2}$
例2:じゃんけんの期待値
次のようなゲームをしたときに、もらえる額の期待値はいくらか?
もらえる額 | $0$ | $100$ | $1000$ | $10000$ |
確率 | $\dfrac{4}{10}$ | $\dfrac{3}{10}$ | $\dfrac{2}{10}$ | $\dfrac{1}{10}$ |
手順1:値と確率を表にする。
もうすでに表になっています。
手順2:値と確率を積を求める。
それぞれ「値」×「確率」を計算して3行目に書きます。
もらえる額 | $0$ | $100$ | $1000$ | $10000$ |
確率 | $\dfrac{4}{10}$ | $\dfrac{3}{10}$ | $\dfrac{2}{10}$ | $\dfrac{1}{10}$ |
積 | $0$ | $30$ | $200$ | $1000$ |
手順3:「積」を全て足す
3行目を全て足すと、
$0+30+200+1000=1230$ 円
がもらえる額の期待値となります。
補足、まめ知識
実際に「値」「確率」「その積」の表を作るときには Excel を使うのが便利です。ただし、Excel で計算するときは縦と横をひっくり返して3列の表を作ったほうが見やすいかもしれません。
期待値の定義式をきちんと書くと、
$\displaystyle\sum_{x}xp_x$
となります。$x$ が「値」で $p_x$ が「確率」です。
連続型の確率変数の場合、シグマが積分に変わるので、期待値は
$\displaystyle\int xp(x)dx$
となります。$p(x)$ は確率密度関数です。
関連:確率密度関数から期待値と分散を求める方法
次回は コイン投げに関する確率のいろいろな問題 を解説します。