コイン投げに関する確率のいろいろな問題

最終更新日 2018/10/28

コイン投げに関する確率の練習問題を3問解説します。

このページで扱うコインは、表裏がそれぞれ確率 $\dfrac{1}{2}$ で出るものとします。

全て同じ結果になる確率

例題1:コインを同時に3枚投げたとき、全て表となる確率を求めよ。

解答:
コインを3枚投げたときのパターンは、
表表表
表表裏
表裏表
表裏裏
裏表表
裏表裏
裏裏表
裏裏裏
の8通りで、全て表となるのは、そのうちの1つです。

よって、全て表となる確率は、$\dfrac{1}{8}$ です。

より一般に、$n$ 枚のコインを同時に投げたとき、全てが表である確率は、$\dfrac{1}{2^n}$ です。また、全てが裏である確率も、$\dfrac{1}{2^n}$ です。また、全てが同じ面になる確率は、$\dfrac{2}{2^n}=\dfrac{1}{2^{n-1}}$ です。

特定の回数表が出る確率

例題2:コインを5回投げたとき、3回表が出る確率を計算せよ。

解答:
コインを5回投げたときに出るパターンの数は、
$2^5=32$ です。

そのうち、3回表が出る場合の数を求めてみましょう。
これは「表が出る場所を3ヶ所選ぶ方法」の数と同じなので、
${}_5\mathrm{C}_3$ 通りです。

コイン投げの問題

よって、求める確率は、
$\dfrac{{}_5\mathrm{C}_3}{32}=\dfrac{10}{32}=\dfrac{5}{16}$
となります。

より一般に、コインを $n$ 回投げたとき、$t$ 回表が出る確率は、$\dfrac{{}_n\mathrm{C}_t}{2^n}$ となります。

期待値

例題3:コインを6回投げたとき、表が出る回数の期待値を計算せよ。

直感的に期待値は3回になりそうですね。

解答:
例題2と同じようにして、コインを6回投げたときに表が $t$ 回出る確率は
$\dfrac{{}_6\mathrm{C}_t}{2^6}$
となります。

よって、表が出る回数の期待値は、
$\begin{aligned}&\displaystyle\sum_{t=0}^6 t\cdot\dfrac{{}_6\mathrm{C}_t}{2^6}\\&=\dfrac{1\cdot 6+2\cdot 15 +3\cdot 20 +4\cdot 15+5\cdot 6 +6}{64}\\&=\dfrac{6+30+60+60+30+6}{64}\\&=\dfrac{192}{64}\\&=3\end{aligned}$
となります。

一般に、コインを $n$ 回投げたときに表が出る回数の期待値は、$\dfrac{n}{2}$ になります。証明を考えてみてください。

次回は 確率における独立と従属の意味と例 を解説します。

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