複号同順と複号任意の意味と具体例について説明します。
複号同順とは
複号同順とは、大雑把に言うと、
複数の符号があるとき、同じ順番で読んでください
という意味です。例えば、
$\pm 1\pm \sqrt{2}$(複号同順)
は
$1+\sqrt{2}$ または $-1-\sqrt{2}$
という意味になります。
$\pm 1\mp \sqrt{2}$(複号同順)
は
$1-\sqrt{2}$ または $-1+\sqrt{2}$
という意味になります。
複数の $\pm$ または $\mp$ があるときに「全て上側の符号を採用する」か「全て下側の符号を採用する」か、なので、2つの数字に対応します。
複号同順の号は「符号」の号です。複合同順と書き間違える人が多いので注意してください。
複号任意とは
複号任意とは、大雑把に言うと、
複数の符号があるとき、自由な順番で読んでください
という意味です。例えば、
$\pm 1\pm \sqrt{2}$(複号任意)
は
$1+\sqrt{2}$ または $1-\sqrt{2}$ または $-1+\sqrt{2}$ または $-1-\sqrt{2}$
という意味になります。
1つの式で同時に4つの数を表現できるので、いちいち全部書くよりも楽です。
復号任意を使う具体例
複数の $\pm$ や $\mp$ を使うことはあまり多くないですが、例を見てみましょう。
例:四次方程式 $(x^2-2x-1)(x^2+2x-1)=0$ の解は?
答え、
$x^2-2x-1=0$ の解はbが偶数の場合の解の公式より、
$x=1\pm\sqrt{2}$
同じく、$x^2+2x-1=0$ の解は $x=-1\pm\sqrt{2}$
よって、これらを合わせると、四次方程式の解は、
$1+\sqrt{2}$ または $1-\sqrt{2}$ または $-1+\sqrt{2}$ または $-1-\sqrt{2}$
となります。
つまり、$\pm 1\pm \sqrt{2}$(複号任意)
と書くことができます。
※個人的な意見:複号同順や複号任意という言葉を使わずに「$1+\sqrt{2}$ または $-1-\sqrt{2}$」のように、わざわざ全部書いた方が分かりやすいことが多いと思います。
次回は ベン図の意味と覚えておくべき事まとめ を解説します。