bが偶数の場合の解の公式

最終更新日 2019/05/12

二次方程式 $ax^2+2b’x+c=0$ の解は、$x=\dfrac{-b’\pm\sqrt{(b’)^2-ac}}{a}$

この公式(解の公式の $b’$ バージョン)の使用例、役割、導出を解説します。

例題

$x$ の係数が偶数の場合には解の公式の $b’$ バージョンを使うことができます。

問題

二次方程式 $3x^2+4x-1=0$ を解け。

答え

$a=3$、$b’=2$、$c=-1$ として解の公式($b’$バージョン)を用いると、
$x=\dfrac{-2\pm\sqrt{2^2-3\cdot(-1)}}{3}$
$=\dfrac{-2\pm\sqrt{7}}{3}$

$b’$ バージョンの役割

~普通の解の公式~
$ax^2+bx+c=0$ の解が $x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$
→解の公式
・いつでも使える
・公式に 2 とか 4 とかが登場してしまう
・絶対に覚えておくべき

~$b’$ バージョン~
$ax^2+2b’x+c=0$ の解が、$x=\dfrac{-b’\pm\sqrt{(b’)^2-ac}}{a}$

・$x$ の係数が偶数の場合にしか使えない
・$x$ の係数が偶数の場合、計算が楽になる、時間短縮できる
・最悪、忘れてもよい(時間はかかるが普通の解の公式を使えばよい)

公式の証明

証明1

解の公式:$x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ において、$b\to 2b’$ とすれば、
$x=\dfrac{-2b’\pm\sqrt{4(b’)^2-4ac}}{2a}$
分母分子を $2$ で割ると $b’$ バージョンになる。

証明2

$ax^2+2b’x+c=0$ を平方完成する:
$a(x^2+2\frac{b’}{a}x)+c=0$
$a(x+\frac{b’}{a})^2-\frac{(b’)^2}{a}+c=0$
移項して整理する:
$a(x+\frac{b’}{a})^2=\frac{(b’)^2-ac}{a}$
$(x+\frac{b’}{a})^2=\frac{(b’)^2-ac}{a^2}$
$x+\frac{b’}{a}=\pm\frac{\sqrt{(b’)^2-ac}}{a}$
$x=\frac{-b’\pm\sqrt{(b’)^2-ac}}{a}$

次回は 判別式の意味と実数解の個数の求め方 を解説します。

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