cot x(=1/tan x)の微分と積分の公式

最終更新日 2019/05/12

$\cot x$ とは、$\dfrac{1}{\tan x}$ のことです。

微分:
$(\cot x)’=\left(\dfrac{1}{\tan x}\right)’$$=-\dfrac{1}{\sin^2x}$

不定積分:
$\displaystyle\int \cot xdx=\displaystyle\int\dfrac{1}{\tan x}dx$$=\log|\sin x|+C$

微分の証明その1

$\dfrac{f(x)}{g(x)}$ の微分が $\dfrac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{g(x)^2}$ であることを使います(→分数関数の微分(商の微分公式))。

$\dfrac{1}{\tan x}=\dfrac{\cos x}{\sin x}$ なので、この微分は、

$\dfrac{(\cos x)'(\sin x)-(\cos x)(\sin x)’}{\sin^2x}\\
=\dfrac{(-\sin x)(\sin x)-(\cos x)(\cos x)}{\sin^2x}\\
=\dfrac{-\sin^2x-\cos^2x}{\sin^2x}\\
=-\dfrac{1}{\sin^2x}$

ただし、最後に $\sin^2x+\cos^2x=1$ を使いました。

微分の証明その2

$\dfrac{1}{f(x)}$ の微分が $-\dfrac{f'(x)}{f^2(x)}$ であることを使います(逆数の微分公式)。

$\tan x$ の微分は $\dfrac{1}{\cos^2x}$ なので、$\dfrac{1}{\tan x}$ の微分は、
$-\dfrac{(\tan x)’}{\tan^2x}\\
=-\dfrac{1}{\tan^2x}\cdot\dfrac{1}{\cos^2x}\\
=-\dfrac{1}{\frac{\sin^2x}{\cos^2x}}\cdot\dfrac{1}{\cos^2x}\\
=-\dfrac{1}{\sin^2x}$

積分の証明

$\displaystyle\int \dfrac{f'(x)}{f(x)}dx=\log|f(x)|+C$ という公式を使うと、

$\displaystyle\int\dfrac{1}{\tan x}dx\\
=\displaystyle\int\dfrac{\cos x}{\sin x}dx\\
=\displaystyle\int\dfrac{(\sin x)’}{(\sin x)}dx\\
=\log|\sin x|+C$
(ただし $C$ は積分定数)

というように計算することができます。

次回は 1/tan^2xの積分を2通りの方法で計算する を解説します。

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