最終更新日 2017/11/05
tanx の逆関数を arctanx と書く。
arctan はアークタンジェントと読む。
arctanの意味、定義域、値域
y=tanx(ただし、−π2<x<π2)の逆関数を y=arctanx と書きます( atanx と書く人もいます)。
つまり(−π2<x<π2 のもとで)、
y=tanx⟺x=arctany
が成立します。
具体例:
tanπ4=1 なので、arctan1=π4
~定義域と値域~
y=arctanx の定義域は実数全体、値域は −π2<y<π2 です。
arctan xの微分
y=arctanx の微分が y′=11+x2 であることを証明します。
~証明に使う公式~
・逆関数の微分公式:dxdy=1dydx
・三角関数の関係式:cos2y=11+tan2y
~証明~
y=arctanx は x=tany と同じことです。この式の両辺を y で微分すると、
dxdy=1cos2y
となります。よって(逆関数の微分公式より)、dydx=cos2y です。
あとは、この右辺を x で表してやります。
cos2y=11+tan2y=11+x2
となります。よって、dydx=11+x2 です。
→アークサイン、アークコサイン、アークタンジェントの微分
arctan xの積分
∫arctanxdx=xarctanx−12log(1+x2)+C
であることを証明します。
であることを証明します。
まず、部分積分と、arctanの微分公式を使います:
∫arctanxdx=∫1⋅arctanxdx=xarctanx−∫x⋅11+x2dx
この第二項の積分は、
12∫2x1+x2dx=12log(1+x2)+C
となります。
ただし、公式:∫f′(x)f(x)dx=log|f(x)|+C を使いました
次回は 方向微分の意味と求め方 を解説します。