$\ln x\fallingdotseq 2.303\log_{10}x$
つまり、常用対数 $\log_{10}$ を自然対数 $\ln$ に直すには約 $2.303$ 倍すればよい。
$\ln$ は $e$ を底とする対数(自然対数)のことです。$\ln x=\log_e x$ です。
常用対数→自然対数
常用対数から自然対数への変換は $2.303$ 倍します。
例題1
$\log_{10}3\fallingdotseq 0.4771$ とする。$\ln 3$ の値を大雑把に計算せよ。
解答
公式より、
$\ln 3\fallingdotseq 2.303\log_{10}3\\
\fallingdotseq 2.303\times 0.4771\\
\fallingdotseq 1.099$
ちなみに、Google の検索窓に「ln 3」と打って検索すると、$\ln 3=1.098612\cdots$ であることが確認できます。
自然対数→常用対数
逆に、自然対数から常用対数への変換は $2.303$ で割ります。
例題2
$\ln 2\fallingdotseq 0.6931$ とする。$\log_{10} 2$ の値を大雑把に計算せよ。
解答
公式より、
$\log_{10} 2\fallingdotseq \ln 2 \div 2.303\\
\fallingdotseq 0.6931\div 2.303\\
\fallingdotseq 0.3010$
ちなみに、Google の検索窓に「log 2」と打って検索すると、$\log_{10} 3=0.300955\cdots$ であることが確認できます。
公式の証明
「底の変換公式」という対数の公式を使います。
関連:対数計算の公式一覧(基礎5個+発展4個)
底の変換公式
$\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}$
で $a=10$、$b=x$、$c=e$ とすると、
$\log_{10} x=\dfrac{\ln x}{\ln 10}$
よって、
$\ln x=(\ln 10)\log_{10}x$
となります。
$\ln 10\fallingdotseq 2.303$ なので($e^{2.303}\fallingdotseq 10$)
$\ln x=2.303\log_{10}x$
という式が導けました。
次回は eのlogx乗=x、eの-logx乗=1/x を解説します。