SN比とは、信号(Signal)と雑音(Noise)の比率を表す量で、一般的には、$10\log_{10}\dfrac{P_S}{P_N}$、$20\log_{10}\dfrac{A_S}{A_N}$
などと定義されます。SN比が大きいほど、雑音が少ないと言えます。
このページでは、SN比(信号雑音比、SNR)の意味と、計算例を詳しく解説します。
SN比とは
信号のパワー(消費電力)を $P_S$、雑音のパワーを $P_N$ とします。
このとき、信号と雑音のパワーの比は $\dfrac{P_S}{P_N}$ です。ただし、SN比は、パワーの比そのものではなく、デシベル(dB)という単位を使って表すことが多いです。
参考:デシベルの意味と計算式の4つのポイント
つまり、一般的に、SN比は、常用対数を使って
$10\log_{10}\dfrac{P_S}{P_N}$
と定義されます。
電流または電圧を使ったSN比
電流とSN比
信号の電流を $A_S$、雑音の電流を $A_N$ とします。消費電力は電流の二乗に比例するので、
$\dfrac{P_S}{P_N}=\dfrac{A_S^2}{A_N^2}$
です。よって、SN比は
$20\log_{10}\dfrac{A_S}{A_N}$
と表すこともできます。
参考:消費電力(ワット)を計算する3つの方法(電流、電圧、抵抗から)
電圧とSN比
信号の電圧を $V_S$、雑音の電圧を $V_N$ とします。消費電力は電圧の二乗に比例するので、
$\dfrac{P_S}{P_N}=\dfrac{V_S^2}{V_N^2}$
です。よって、SN比は
$20\log_{10}\dfrac{V_S}{V_N}$
と表すこともできます。
SN比の計算例
実際、$20\log_{10}\dfrac{V_S}{V_N}$ という式を使って計算すると、以下のようになります。
信号と雑音が同じ電圧 → SN比は0dB
信号が雑音の10倍の電圧 → SN比は20dB
信号が雑音の100倍の電圧 → SN比は40dB
信号が雑音の1000倍の電圧 → SN比は60dB
信号が雑音の1万倍の電圧 → SN比は80dB
信号が雑音の10万倍の電圧 → SN比は100dB
SN比の計算ツール
SN比の計算式:$20\log_{10} X$($X$ は信号と雑音の電流比または電圧比)を使っています。
次回は ひずみとポアソン比について分かりやすく解説 します。