全体集合と補集合の意味と,関連する公式について紹介します。
全体集合とは
例えば、サイコロの出目について考えるとき、「考えている対象全体」は $U=\{1,2,3,4,5,6\}$ です。(出目は「1,2,3,4,5,6」の6通り)
全体集合のことを、英語で Universal Set と言うので、全体集合は $U$ という記号で表すことが多いです。
補集合とは
$A$ の補集合のことを $\overline{A}$ や、$A^{c}$ などと表すことが多いです。
例えば、$U=\{1,2,3,4,5,6\}$ が全体集合で、$A=\{1,3,5\}$ のとき、$A$ の補集合は、$\overline{A}=\{2,4,6\}$ になります。
補集合のことを、英語で Complement と言うので、$A^{c}$ という記号を使うことがあります。
全体集合と補集合の要素数の公式
全体集合の要素数 $|U|$ と,補集合の要素数 $|\overline{A}|$ の間には,以下の公式が成立します。
$|A|+|\overline{A}|=|U|$
例えば、人間の集合 $U$ に対して
$20$ 歳以上の人の集合を $A$ とすると、
補集合 $\overline{A}$ は $20$ 歳未満の人の集合になります。
$20$ 歳以上の人数
+$20$ 歳未満の人数
=人間全体の人数
なので、$|A|+|\overline{A}|=|U|$ が成立します。
ド・モルガンの法則
全体集合と補集合にまつわる重要な公式として,ド・モルガンの法則があります。
$\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$
上の2つの公式を合わせて、ド・モルガンの法則と言います。
具体例で確認してみましょう。
$U=\{1,2,3,4,5,6\}$
$A=\{1,3,5\}$
$B=\{1,2,3\}$
としてみます。
・$\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}$ の確認
$A\cap B=\{1,3\}$ なので、左辺は
$\overline{A\cap B}=\{2,4,5,6\}$
です。一方、
$\overline{A}=\{2,4,6\}$、$\overline{B}=\{4,5,6\}$
なので、$\overline{A}\cup \overline{B}=\{2,4,5,6\}$ です。
・$\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap \overline{B}$ の確認
$A\cup B=\{1,2,3,5\}$ なので、左辺は
$\overline{A\cup B}=\{4,6\}$
です。一方、
$\overline{A}=\{2,4,6\}$、$\overline{B}=\{4,5,6\}$
なので、$\overline{A}\cap \overline{B}=\{4,6\}$ です。
次回は 集合の要素数についての2つの公式 を解説します。