集合の要素数を計算するときに使う公式を解説します。
2つの集合の要素数
という公式が成立します。
ただし、集合 $A$ の要素数を $n(A)$ などと書きます。
この公式は、ベン図を使うと理解しやすいです。
灰色の領域の要素数を数えるときに、
$n(A)$ と $n(B)$ を足し算すると、$A\cap B$ の部分を2回カウントしてしまっているので、1回分引く。
というイメージです。
例題
$100$ 人の氏名を調べたところ、その中に、名字が田中である人が $5$ 人、名前が太郎である人が $3$ 人いた。また、田中太郎さんが $1$ 人いた。
このとき「田中」または「太郎」であるのは何人か?
解答
$A$:田中さんの集合
$B$:太郎さんの集合
とします。$n(A)=5$、$n(B)=3$ です。
このとき、$A\cap B$ は、田中太郎さんの集合になります。よって、$n(A\cap B)=1$ です。
求めたいのは「田中」または「太郎」である人の数、つまり、$n(A\cup B)$ です。ここで公式を使うと、
$n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)\\
=5+3-1=7$
となります。
3つの集合の要素数
3つの場合は少し複雑です。
=n(A)+n(B)+n(C)\\
\:\:-n(A\cap B)-n(B\cap C)-n(C\cap A)\\
\:\:+n(A\cap B\cap C)$
という公式が成立します。
この公式も、ベン図を使って理解できます。
灰色の領域の要素数を数えるときに、
・とりあえず $n(A)$、$n(B)$、$n(C)$ を足し算する。すると、重なっている部分を複数回カウントしてしまう。具体的には、(2) の部分を2回、(3) の部分を3回カウントしてしまう。
・そこで、$n(A\cap B)$、$n(B\cap C)$、$n(C\cap A)$ を引き算することで、(2) の部分が1回のみカウントされるようにする。しかし、このとき、(3) の部分は3回カウントして、3回引き算したので、カウントできていない。
・そこで、最後に $n(A\cap B\cap C)$ を足し算することで、(3) の部分が1回カウントされるようにする。
次回は 部分集合と真部分集合の違い を解説します。