ある集合に対して、
・一部だけを取り出したものを部分集合と言う。
・部分集合であって、もとの集合とは一致しないものを真部分集合と言う。
部分集合と真部分集合の意味
ある集合に対して、部分集合は、一部だけ取り出してきたものです。その際「1つも取り出さない」「全部取り出す」も認めます。真部分集合は「全部取り出す」を認めません。
例題
$A=\{1,2,3\}$ の部分集合と真部分集合を全て求めよ。
解答
部分集合は以下の8つです。
$\emptyset$(空集合、1つも取り出さない)
$\{1\},\{2\},\{3\}$(1つ取り出した)
$\{1,2\},\{1,3\},\{2,3\}$(2つ取り出した)
$\{1,2,3\}$(3つ取り出した)
真部分集合は、3つ全部取り出すことを認めないので、以下の7つです。
$\emptyset$(空集合、1つも取り出さない)
$\{1\},\{2\},\{3\}$(1つ取り出した)
$\{1,2\},\{1,3\},\{2,3\}$(2つ取り出した)
記号
部分集合と真部分集合の記号の使い方は複数通りある(統一されていない)ので注意しなければいけません。よく見かける流儀を2つ紹介します:
~流儀1~
部分集合:$A\subset B$
真部分集合:$A\subsetneq B$
~流儀2~
部分集合:$A\subseteq B$
真部分集合:$A\subset B$
流儀1の部分集合の記号と流儀2の真部分集合の記号が同じですね、非常に紛らわしいです。
数学における「真部分」の意味
数学では「真部分」をもとのものの一部だけど、もとのものとは異なるものという意味で使うことがしばしばあります。
「本当に」部分的なもの、というニュアンスだと思われます。
例えば、
・真部分集合:もとの集合の一部で、もとのものとは異なるもの
・真部分グラフ:もとのグラフの一部で、もとのものとは異なるもの
・真部分空間:もとの空間の部分空間で、もとのものとは異なるもの
・真部分群:もとの空間の部分群で、もとのものとは異なるもの
次回は 対偶の意味を3ステップで解説 を解説します。