対称行列の固有値、行列式、逆行列、積

$\begin{pmatrix}1&2\\2&5\end{pmatrix}$、$\begin{pmatrix}3&-1&0\\-1&2&100\\0&100&4\end{pmatrix}$
のように、$ij$ 成分と $ji$ 成分が等しい行列を対称行列と言う。

対称行列の固有値に関する性質

・対称行列の固有値は全て実数です。例えば、$\begin{pmatrix}1&2\\2&5\end{pmatrix}$ の固有値は $(3\pm 2\sqrt{2})$ です。

・対称行列の異なる固有値に対応する固有ベクトルは直交します。

・対称行列は必ず対角化できます。さらに言うと、直交行列で対角化できます。つまり、対称行列 $A$ に対して、直交行列 $U$ をうまく選べば、$UAU^{-1}$ が対角行列になります。

対称行列の行列式

・対称行列の行列式は $0$ になることもあります。例えば、零行列 $O$ は対称行列で、行列式が $0$ です。

・当然ですが、対称行列の行列式は $0$ でないこともあります。例えば、対称行列 $\begin{pmatrix}1&2\\2&5\end{pmatrix}$ の行列式は $1$ です。

つまり、対称行列は正則な場合もあれば、正則でない場合もあります。

対称行列の逆行列

対称行列 $A$ の逆行列 $A^{-1}$ が存在すれば、$A^{-1}$ も対称行列です。

これを証明してみましょう。

まず。逆行列の定義より、
$AA^{-1}=I$
です。両辺の転置を取ると、
$(A^{-1})^{\top}A^{\top}=I$
となります。$A$ は対称行列なので、
$(A^{-1})^{\top}A=I$
となります。両辺に右から $A^{-1}$ をかけると、
$(A^{-1})^{\top}=A^{-1}$
となります。

よって、$A^{-1}$ は転置しても自分と同じなので、対称行列です。

対称行列の積

$A$ と $B$ が対称行列でも、その積 $AB$ が対称行列とは限りません。

実際、$A=\begin{pmatrix}0&0\\0&1\end{pmatrix}$、$B=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix}$ とすれば、両方とも対称行列ですが、
$AB=\begin{pmatrix}0&0\\1&0\end{pmatrix}$
となり、これは対称行列ではありません。

ちなみに、対称行列の複素数バージョンがエルミート行列です。

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