名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度

最終更新日 2019/05/31
大小比較
名義尺度 電話番号 × × ×
順序尺度 震度 × ×
間隔尺度 温度(℃) ×
比率尺度 長さ

名義尺度

名義尺度とは、単に区別するために用いる尺度です。単なる名前みたいなものです。

例えば、電話番号やIDなどが名義尺度です。

目的は「区別すること」なので、等しいかどうかのみに意味があります。大小関係に意味はありません、差や比にも意味はありません。例えば、電話番号の引き算や割り算をしても意味のある結果は得られません。名義尺度の最頻値に意味はありますが、中央値や平均値を求めても意味がありません。

順序尺度

順序尺度とは大小関係に意味がある(けれども差や比に意味はない)尺度です。

例えば、地震の大きさを表す震度は人間の間隔に基づいて定められており、順序尺度です。
「震度2より震度3の方が揺れが強い」
という主張は正しいですが、
「震度4は震度2の2倍揺れている」
「震度4と震度3の差は震度3と震度2の差と同じくらい」
などと主張することはできません。

また、
1:よい、2:ふつう、3:わるい
というアンケートの回答を数字で表現したものも順序尺度です。

順序尺度の最頻値や中央値には意味がありますが、足し算に意味がないので平均値にも意味がありません。

間隔尺度

間隔尺度とは、大小関係に加えて「差」にも意味がある(けれども比には意味がない)ような尺度です。

例えば、セルシウス温度(℃)は間隔尺度です。
「10℃ と 20℃ の差は 20℃ と 30℃ の差と同じ」
という主張は正しいです。
しかし、
「3℃ は 1℃ の $3$ 倍熱い」
と主張することはできません。

間隔尺度と順序尺度の違いが分かりにくいですが、$1$ から $2$ になるのと、$2$ から $3$ になるのが同じ量の変化なのかどうか?を考えれば分かります。

比率尺度

比率尺度とは、大小関係にも、差にも、比にも意味があるような尺度です。「ゼロ」に意味があります。

長さや質量、年齢などは比率尺度です。温度も絶対温度で考えた場合は比率尺度です。
例えば年齢について、
「ちょうど20歳の人はちょうど10歳の人の2倍生きた」
というように、比を考えることに意味があります。

間隔尺度と比率尺度については、最頻値、中央値、平均値、いずれにも意味があります。

次回は 傾向スコアを用いた施策効果の測定を分かりやすく説明 を解説します。

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