水圧とは、水が及ぼす圧力のことです。水圧の単位はパスカル(1平方メートルあたり何ニュートンの力がかかるか)を使うことが多いです。水深 $h$ における水圧 $p$ は、$p=\rho hg$ という公式で計算することができます。
このページでは、水圧の公式の意味、導出、および水圧がどれくらいの大きさなのかを解説します。
水圧の公式
$p=\rho hg$
という公式を使って計算することができます。
ただし、$\rho$ は液体の密度、$g$ は重力加速度、$h$ は水の深さです。
水の密度はおよそ $\rho\fallingdotseq 997\:\mathrm{kg/m^3}$ で、重力加速度は $g\fallingdotseq 9.81\:\mathrm{m/s^2}$ なので、
水深 $h$ メートルにおける圧力は、
$p\fallingdotseq 997\times h\times 9.81\fallingdotseq 9781h$
パスカルになります。
大雑把には、$p=10000h$ です。つまり、水深が1メートル増えるごとに、圧力は $10000$ パスカルずつ増えていくと言えます。
水圧の大きさのイメージ
「支える力」で考えると?
水深が1メートル増えるごとに、$1\:\mathrm{cm^2}$ あたり1ニュートンの力(地球上で約100グラムの物体を支えるのに必要な力)が追加でかかると言えます。
水深が $10$ メートル増えるごとに、$1\:\mathrm{cm^2}$ あたり $10$ ニュートンの力(地球上で約1キログラムの物体を支えるのに必要な力)が追加でかかると言えます。
大気圧と比較して考えると?
水深が $10$ メートル増えるごとに、約1気圧分の力が追加でかかると言えます。
(1気圧はおよそ10万パスカルです)
水圧の計算式の導出
水深 $h$ の部分にある、面積 $S$ の平面を考えてみます。
「自分より上側にある水」の重さは、
密度×体積=$\rho\times(S\times h)$
です。
よって、「自分より上側にある水」によってかかる力は、
重さ×重力加速度=$\rho Shg$
です。力を圧力に直すために、面積で割ると、
$p=(\rho Shg)\div S=\rho hg$
となります。
※水深 $h$ においてかかる圧力は「大気圧」+「水圧」です。大気圧の部分も考えた圧力全体を表すために $p=p_0+\rho hg$ という式が記載されている場合もあります。
水圧と限界
水深(メートル) | 水圧(パスカル) | イメージ |
$0$ | $0$ | |
$10$ | $1\times 10^5$ | 大気圧と同じくらい |
$100$ | $1\times 10^6$ | 素潜りの世界記録レベル |
$8000$ | $8\times 10^7$ | 深海魚が住める限界レベル |
$11000$ | $1\times 10^8$ | 海の深さ世界記録レベル |
次回は 浮力を計算する公式と物体が水に浮く条件 を解説します。