相加平均、相乗平均の不等式の意味と使い方

$a,b\geq 0$ のとき、$\dfrac{a+b}{2}\geq\sqrt{ab}$
(等号成立条件は $a=b$)

これを相加平均・相乗平均の不等式(または相加相乗平均の不等式、AM-GM不等式)と言います。

相加平均、相乗平均とは

$0$ より大きい二つの数 $a,b$ に対して、

・二つの和を2で割ったもの $\dfrac{a+b}{2}$ を相加平均と言います。いわゆる普通の平均です。

・二つの積のルートを取ったもの $\sqrt{ab}$ を相乗平均と言います。→相乗平均の意味、図形的イメージ、活躍する例

相加平均と相乗平均の間には、相加平均 $\geq$ 相乗平均という関係式が成立します。

例えば、$a=5$、$b=7$ としてみます。
相加平均は、$\dfrac{5+7}{2}=6$
相乗平均は、$\sqrt{5\times 7}=\sqrt{35}\simeq 5.916$
となり、確かに相加平均の方が相乗平均よりも大きいですね。

相加平均、相乗平均の不等式の証明

$\dfrac{a+b}{2}\geq \sqrt{ab}$ を証明します。いろいろな証明方法がありますが、一番シンプルな方法を紹介します。

両辺を二倍した、
$a+b\geq 2\sqrt{ab}$
を証明すればOKです。

さらに、両辺を二乗した
$(a+b)^2\geq 4ab$
を証明すればOKです。

この式の左辺を展開して変形すると、
$a^2+2ab+b^2\geq 4ab$
$a^2-2ab+b^2\geq 0$
$(a-b)^2\geq 0$

となります。この最後の不等式は成立するので、確かにもとの不等式も成立することが分かります。そして、等号成立条件が $a=b$ であることも分かります。

使い方

相加平均、相乗平均の不等式は、(もとの形から両辺を2倍した)$a+b\geq 2\sqrt{ab}$ という形で使われることが多いです。

例題

$x$ が正の実数全体を動くとき、$x+\dfrac{9}{4x}$ の最小値を求めよ。

解答

相加平均、相乗平均の不等式より、
$x+\dfrac{9}{4x}\geq 2\sqrt{x\cdot\dfrac{9}{4x}}\\
=2\sqrt{\dfrac{9}{4}}\\
=3$

等号成立条件は、$x=\dfrac{9}{4x}$ のとき、つまり$x^2=\dfrac{9}{4}$、$x=\dfrac{3}{2}$ のときである。

つまり、与えられた式は、$x=\dfrac{3}{2}$ のときに最小値 $3$ を取る。

ポイント:$x$ と $\dfrac{9}{4x}$ をかけると $x$ がなくなります。このように、かけると定数になる二つの文字式に対して相加平均、相乗平均の不等式は有効です。

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