積分定数 $C$ の意味を分かりやすく説明します。
積分定数とは
という不定積分について考えてみます。
これは、微分したら $2$ になる関数(を全て求めよ)という意味です。
微分したら $2$ になる関数は、$2x$ だけでなく、$2x+1$、$2x+100$ などたくさんあります。ただし、全て $2x+C\:$($C$ は定数)という形です。
つまり、
微分したら $2$ になる関数を全て求めよ
という問題に対する答えは、
$2x+C$(ただし、$C$ はどのような実数でもよい)
となります。
「ただし、$C$ はどのような実数でもよい」と毎回書くのは大変なので、
「$C$ を積分定数とする」と宣言した上で
$2x+C$
のように書くのが慣例になっています。
まとめると
・$\displaystyle\int f(x)dx$ は、微分したら $f(x)$ になる関数全体を表します。
・微分したら $f(x)$ になる関数全体を表すためには「どのような実数でもよい」という意味を持つ定数が必要になります。
・この定数を、積分定数と呼び、普通は $C$ で表します。
$C$ を使う理由
定数を英語で言うと Constant なので、その頭文字の $C$ を使うことが多いです。
積分定数は何でもよい
例えば、
「$P$ を積分定数とする」と宣言した上で
$\displaystyle\int 2dx=2x+P$
と書いても間違いではありません。
ただし、普通は $C$ を使うので、あえて違う文字を使うと、採点者に悪い印象を与える可能性があります。そのため、大事な試験では $C$ を使うことをおすすめします。
例えば、$\displaystyle\int(x+C)dx$
のような不定積分では、$A$ を積分定数として、
$\displaystyle\int(x+C)dx=\dfrac{x^2}{2}+Cx+A$
と書く、などです。
あるいは、$C_1,C’$ などを積分定数としてもよいです。
次回は 三角関数の積分公式のリスト を解説します。