傾きの大きさを表す用語である、法面勾配(のりめんこうばい)、法勾配(のりこうばい)について解説します。法面勾配から傾斜の角度や法長を計算する方法とツールも紹介します。
法面勾配とは
例えば、
図の左側は法面勾配 1:1
図の右側は法面勾配 1:1.5
です。
法面勾配の文脈では、1のことを1割と表現します。よって図の左側は
「法面勾配1割」「1割勾配」
などと言い、図の右側は
「法面勾配1割5分」「1割5分勾配」
などと言うこともあります。
角度と法長の計算ツール
1割勾配 → $x$ は $1$ と入力
1割8分勾配 → $x$ は $1.8$ と入力
1割3分2厘勾配 → $x$ は $1.32$ と入力
計算式は後述します。
角度と法長の計算方法
角度の計算
角度は $\tan^{-1}\dfrac{1}{x}$ で計算できます。例えば、1割5分勾配の場合、$x=1.5$ なので、角度は
$\tan^{-1}\dfrac{1}{1.5}\fallingdotseq 33.69^{\circ}$
と計算できます。
$\tan^{-1}\dfrac{1}{1.5}$ の計算は、Google 検索やエクセルを使うと、以下のようにできます。
・Google 検索では arctan (1/1.5) to deg と入力
・Excel では =DEGREES(ATAN(1/1.5)) と入力
法長の計算
法長(斜辺の長さ)は $\sqrt{1+x^2}$ で計算できます(三平方の定理)。例えば、1割5分勾配の場合、$x=1.5$ なので、法長は
$\sqrt{1+1.5^2}\fallingdotseq 1.803$
と計算できます。
次回は 加速度の意味と、速度・変位との関係 を解説します。