マグニチュードが1増えるだけで、エネルギーは約32倍になります。
マグニチュード $0.1$ の違いも、エネルギーで考えると無視できません。
このページでは、地震のマグニチュードと地震のエネルギーの関係について紹介します。
マグニチュードとは
一方「震度」は「地震による揺れの大きさ」を表す量です。同じ地震でも、場所によって震度は異なりますが、マグニチュードは地震ごとに1つの値が決まります。
マグニチュードと地震のエネルギーの関係
より詳しく言うと、地震のマグニチュード $M$ と、地震のエネルギー $E$(ジュール)の間には、
$\log_{10}E=4.8+1.5M$
あるいは(等価な式ですが)
$E=10^{4.8}\times (10\sqrt{10})^M$
という関係式が成立します。$\log_{10} E$ は、高校数学で習う常用対数です。
上式より、マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーは $10\sqrt{10}=31.62\dots$ 倍になります。また、マグニチュードが2増えると、地震のエネルギーは $1000$ 倍になります。
マグニチュードが $0.1$ 上がっただけでも、地震のエネルギーは $1.4$ 倍になります。
ちなみに、エネルギーの単位「ジュール」についてはジュールとカロリーの意味と換算ツールを参照してください。
マグニチュードとエネルギーとの対応表
マグニチュード | エネルギー(J) |
$0$ | $6.3\times 10^4$ |
$1$ | $2.0\times 10^6$ |
$2$ | $6.3\times 10^7$ |
$3$ | $2.0\times 10^9$ |
$4$ | $6.3\times 10^{10}$ |
$5$ | $2.0\times 10^{12}$ |
$6$ | $6.3\times 10^{13}$ |
$7$ | $2.0\times 10^{15}$ |
$8$ | $6.3\times 10^{16}$ |
$9$ | $2.0\times 10^{18}$ |
$10$ | $6.3\times 10^{19}$ |
※ $\log_{10}E=4.8+1.5M$ という式に基づいた表です。
なお、理屈の上では、マイナスのマグニチュードも考えることができます。
注意点
マグニチュードにはいくつかの定義があり、定義によって微妙に(場合によっては大きく)値は異なります。そのため $\fallingdotseq$ という記号を使って、
$E\fallingdotseq 10^{4.8}\times (10\sqrt{10})^M$
と記載した方が良いかもしれません。
また、地震のエネルギー $E$ は、地震波によって伝えられたエネルギーのみの量を表します(熱などの他の形態で伝達されるエネルギーは含みません)。
参考:Earthquake magnitude calculations
次回は デシベルの意味と計算式の4つのポイント を解説します。