マグニチュードと地震のエネルギーの関係

最終更新日 2019/03/31

マグニチュードが1増えるだけで、エネルギーは約32倍になります。
マグニチュード $0.1$ の違いも、エネルギーで考えると無視できません。

このページでは、地震のマグニチュードと地震のエネルギーの関係について紹介します。

マグニチュードとは

マグニチュードとは、地震が発するエネルギーの大きさを表現する量です。

一方「震度」は「地震による揺れの大きさ」を表す量です。同じ地震でも、場所によって震度は異なりますが、マグニチュードは地震ごとに1つの値が決まります。

マグニチュードと地震のエネルギーの関係

マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーはおよそ $32$ 倍になります。

より詳しく言うと、地震のマグニチュード $M$ と、地震のエネルギー $E$(ジュール)の間には、
$\log_{10}E=4.8+1.5M$
あるいは(等価な式ですが)
$E=10^{4.8}\times (10\sqrt{10})^M$
という関係式が成立します。$\log_{10} E$ は、高校数学で習う常用対数です。

上式より、マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーは $10\sqrt{10}=31.62\dots$ 倍になります。また、マグニチュードが2増えると、地震のエネルギーは $1000$ 倍になります。

マグニチュードが $0.1$ 上がっただけでも、地震のエネルギーは $1.4$ 倍になります。

ちなみに、エネルギーの単位「ジュール」についてはジュールとカロリーの意味と換算ツールを参照してください。

マグニチュードとエネルギーとの対応表

地震のマグニチュードとエネルギーの関係を表にしました。
マグニチュード エネルギー(J)
$0$ $6.3\times 10^4$
$1$ $2.0\times 10^6$
$2$ $6.3\times 10^7$
$3$ $2.0\times 10^9$
$4$ $6.3\times 10^{10}$
$5$ $2.0\times 10^{12}$
$6$ $6.3\times 10^{13}$
$7$ $2.0\times 10^{15}$
$8$ $6.3\times 10^{16}$
$9$ $2.0\times 10^{18}$
$10$ $6.3\times 10^{19}$

※ $\log_{10}E=4.8+1.5M$ という式に基づいた表です。

なお、理屈の上では、マイナスのマグニチュードも考えることができます。

注意点

マグニチュードにはいくつかの定義があり、定義によって微妙に(場合によっては大きく)値は異なります。そのため $\fallingdotseq$ という記号を使って、
$E\fallingdotseq 10^{4.8}\times (10\sqrt{10})^M$
と記載した方が良いかもしれません。

また、地震のエネルギー $E$ は、地震波によって伝えられたエネルギーのみの量を表します(熱などの他の形態で伝達されるエネルギーは含みません)。
参考:Earthquake magnitude calculations

次回は デシベルの意味と計算式の4つのポイント を解説します。

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