極座標における円の方程式の一般形と例題

最終更新日 2018/12/28

極座標平面における円の方程式について詳しく解説します。

中心が原点の場合の円の極方程式

まずは、中心が原点である円の極方程式です。

中心が原点で、半径が $R$ であるような円の方程式は、極座標では、
$r=R$
と表すことができます。

$xy$ 直交座標平面での $x^2+y^2=R^2$ という式よりも簡潔で分かりやすいです。

一般の場合の円の方程式

次に、中心が原点とは限らない一般の場合に、極座標平面における円の方程式がどのような形になるのかを考えてみましょう。

中心が $(r_0,\theta_0)$ で、半径が $R$ であるような円の方程式を極座標で表すと、
$r^2+r_0^2-2r_0r\cos(\theta-\theta_0)=R^2$
となります(証明は後ほど)。

特に、$R=r_0$ である場合(つまり、円が原点を通る場合)は、
$r=2r_0\cos(\theta-\theta_0)$
のように簡潔な式になります。

ちなみに、この式は、磁場中の荷電粒子の運動を解析する際に役に立ったりします。
参考:Kaggle(trackmlコンペ)

例題

極方程式 $r=3\sqrt{3}\cos\theta-3\sin\theta$
で表される図形はどのようは図形か、考えてみましょう。

三角関数の合成公式を使うと、右辺は、
$-3\sin\theta+3\sqrt{3}\cos\theta\\
=6\sin\left(\theta+\dfrac{2}{3}\pi\right)$
となります。さらに、$\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{2}\right)=\cos\theta$
であることを使うと、与えられた極方程式は
$r=6\cos\left(\theta-\dfrac{\pi}{6}\right)$
と変形できます。

これは、半径が $6\div 2=3$ で、中心が $\left(3,\dfrac{\pi}{6}\right)$ であるような円の方程式です。

余弦定理を使った証明

円の極方程式:
$r^2+r_0^2-2r_0r\cos(\theta-\theta_0)=R^2$
を2通りの方法で導出してみます。

まずは、余弦定理を使った方法です。
極座標における円の方程式

$(r,\theta)$ という点が、所望の円の上にある条件は、緑色の三角形に余弦定理を使うと、
$r^2+r_0^2-2rr_0\cos|\theta-\theta_0|=R^2$
となります。$\cos x=\cos(-x)$ なので、絶対値が外せて、
$r^2+r_0^2-2r_0r\cos(\theta-\theta_0)=R^2$
が求める円の極方程式となります。

直交座標から証明

次に、直交座標の円の方程式を変形していく方法で証明します。

中心が $(r_0,\theta_0)$ で半径が $R$ である円の方程式を直交座標で表すと、
$(x-r_0\cos\theta_0)^2+(y-r_0\sin\theta_0)^2=R^2$
となります。

$x^2+y^2=r^2$、$x=r\cos\theta$、$y=r\sin\theta$ に注意して左辺を変形していくと、
$r^2-2r_0(x\cos\theta_0+y\sin\theta_0)+r_0^2\\
=r^2-2rr_0(\cos\theta\cos\theta_0+\sin\theta\sin\theta_0)\\
=r^2-2rr_0\cos(\theta-\theta_0)$
となります。

次回は 円に内接する四角形の面積を求める公式 を解説します。

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