固有値と固有ベクトルの求め方と計算ツール

最終更新日 2017/11/05

・固有値と固有ベクトルを計算してくれるサイトを紹介します。
・固有値と固有ベクトルの求め方を解説します。

計算ツールの使い方

まずは、固有値と固有ベクトルを計算してくれるサイトの使い方を解説します。検算に使えます。

例えば、$\begin{pmatrix}-1&2\\3&4\end{pmatrix}$ という行列の固有値と固有ベクトルを求めたいときには、
wolframalpha.comにアクセスし、
eigenvalue({-1,2},{3,4})

と入力してみてください。(赤文字部分をコピー&ペーストするとスムーズです)

・$3\times 3$ の行列の例:
eigenvalue({1,2,3},{4,5,6},{7,8,9})

・$4\times 4$ の行列の例:
eigenvalue({1,1,1,1},{1,1,1,1},{1,1,1,1},{1,1,1,1})

~補足~
$2\times 2$ 行列の場合には、固有値と固有ベクトルを必ず計算することができますが、$3\times 3$ 行列以上になると、結果がとても汚くなる場合があります。

固有値と固有ベクトルの求め方

正方行列 $A$ の固有値、固有ベクトルは以下の手順で計算できます。
$\det (A-\lambda I)=0$ を満たす $\lambda$ が固有値
各固有値 $\lambda_k$ について、$(A-\lambda_k I)x=0$ を満たすベクトル $x$ が固有ベクトル

例題:$\begin{pmatrix}-1&2\\3&4\end{pmatrix}$ の固有値と固有ベクトルを求めよ。

まず、$\det(A-\lambda I)=0$ を解く
$A-\lambda I=\begin{pmatrix}-1-\lambda & 2\\ 3 &4-\lambda\end{pmatrix}$
であることに注意して
$\det(A-\lambda I)=0$ を解くと、固有値は
$\lambda=5, -2$
となります。

次に、$\det(A-5I)x=0$ を満たす $x$ を求める
$A-5I=\begin{pmatrix}-6&2\\3&-1\end{pmatrix}$
であることに注意すると、例えば
$\begin{pmatrix}1\\3\end{pmatrix}$
が固有ベクトルとなります。

最後に、$\det(A-(-2)I)x=0$ を満たす $x$ を求める
$A+2I=\begin{pmatrix}1&2\\3&6\end{pmatrix}$
であることに注意すると、例えば
$\begin{pmatrix}-2\\1\end{pmatrix}$
が固有ベクトルとなります。

参考:特性方程式

固有値を求めるときに登場した $\det(A-\lambda I)=0$ のことを特性方程式と言います。

$A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}$
のとき、特性方程式は、
$\lambda^2-(a+d)\lambda+(ad-bc)=0$
となります。

$A=\begin{pmatrix}a&b&c\\d&e&f\\g&h&i\end{pmatrix}$
のとき、特性方程式は、
$\lambda^3-(a+e+i)\lambda+K\lambda-\det A=0$
ただし、$K=(ae-bd)+(ai-cg)+(ei-fh)$
となります。

次回は 固有空間の意味および基底や次元の求め方 を解説します。

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