一次結合(線形結合)の意味と様々な例

最終更新日 2017/11/05

一次結合とは、(大雑把に言うと)定数倍して足し合わせたもの

ベクトルの一次結合

$\overrightarrow{a}$、$\overrightarrow{b}$ という2つのベクトルに対して、それぞれを定数倍して足し合わせた
$p\overrightarrow{a}+q\overrightarrow{b}$
という形のベクトルを、$\overrightarrow{a}$ と $\overrightarrow{b}$ の一次結合と言います。

例えば、$\overrightarrow{a}=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}$、$\overrightarrow{b}=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}$
のとき、
$\begin{pmatrix}3\\2\end{pmatrix}=3\overrightarrow{a}+2\overrightarrow{b}$
と書くことができるので、
$\begin{pmatrix}3\\2\end{pmatrix}$ というベクトルは、$\overrightarrow{a}$ と $\overrightarrow{b}$ の一次結合で表せると言えます。

より一般に、$n$ 個のベクトル $\overrightarrow{a_1},\dots,\overrightarrow{a_n}$ の一次結合は、
$c_1\overrightarrow{a_1}+\dots +c_n\overrightarrow{a_n}$
です。($c_1,\dots,c_n$ はスカラー)

行列の一次結合

$A$、$B$ という2つの行列に対して、それぞれを定数倍して足し合わせた
$pA+qB$
という形の行列を、$A$ と $B$ の一次結合と言います。

例えば、$A=\begin{pmatrix}1&0\\0&0\end{pmatrix}$、$B=\begin{pmatrix}0&0\\0&1\end{pmatrix}$
のとき、
$\begin{pmatrix}3&0\\0&2\end{pmatrix}=3A+2B$
と書くことができるので、
$\begin{pmatrix}3&0\\0&2\end{pmatrix}$ という行列は、$A$ と $B$ の一次結合で表せると言えます。

しかし、例えば $\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}$ という行列は、$A$ と $B$ の一次結合では表せません。

より一般に、$n$ 個の行列 $A_1,\dots,A_n$ の一次結合は、
$c_1A_1+\dots +c_nA_n$
です。($c_1,\dots,c_n$ はスカラー)

関数の一次結合

$f_1$、$f_2$ という2つの関数に対して、それぞれを定数倍して足し合わせた
$pf_1+qf_2$
という形の関数を、$f_1$ と $f_2$ の一次結合と言います。

例えば、$f_1(x)=x$、$f_2(x)=x^2$ のとき、
$3x^2+2x$
という関数は
$3x^2+2x=3f_1+2f_2$
と書くことができるので、
$3x^2+2x$ という関数は、$f_1(x)=x$ と $f_2(x)=x^2$ の一次結合で表せると言えます。

しかし、例えば $x^3$ という関数は、$f_1$ と $f_2$ の一次結合では表せません。

より一般に、$n$ 個の関数 $f_1,\dots,f_n$ の一次結合は、
$c_1f_1+\dots +c_nf_n$
です。($c_1,\dots,c_n$ はスカラー)

次回は 線形代数における基底と次元の意味と求め方 を解説します。

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