山など標高が高い場所は、地上(海抜0メートルの場所)よりも寒いです。一般的に「標高(高度、高さ)が100メートル高くなると、気温は $0.6$ 度程度下がる」と言われています。
このページでは、標高と気温の関係について詳しく解説します。
標高と気温の関係
ただし $0.649$ という数字は、大気の湿度などによって変化します。そのため、大雑把に、
高度が $100$ メートル上がると $0.6$ 度寒くなる
高度が1キロメートル上がると $6$ 度寒くなる
などと覚えると良いでしょう。
※なお、この規則が適用できるのは、高度11キロメートル付近までです。
大雑把な気温差の例
富士山の山頂(標高3776m)と地上(海抜0m)では気温が約23℃違います。
エベレストの山頂(標高8848m)と地上(海抜0m)では気温が約53℃違います。
旅客機が飛ぶ高さ(標高10000m)と地上(海抜0m)では気温が約60℃違います。
※高度が $100$ メートル上がると $0.6$ 度寒くなる、という考え方で計算を行いました。
標高差から気温差を計算するツール
※あくまで大雑把な計算ですので、デフォルトの気温減率は $0.6$ としています。
標高が高いと気温が下がる理由
標高が高い地点は、標高が低い地点よりも大気の圧力は小さくなります。圧力が下がると、空気は膨張します。空気が膨張する際に、外部に仕事をするので、内部エネルギーが下がって気温が下がります。
※断熱変化において熱力学第一法則を適用すると、
「外部にした仕事量」=「内部エネルギーの減少量」
が分かります。
湿度と気温減率
つまり、乾燥している方が、高度が上がるごとに特に寒くなると言えます。
理由
湿度が高い場合、水蒸気が凝結する際に潜熱を放出するため、高度が上がった際の気温の減少量は小さくなります。
次回は 絶対温度(K)と普通の温度(セルシウス温度)の意味と変換ツール を解説します。