標高(高度)が100m上がると気温は0.6℃下がる

最終更新日 2019/03/31

山など標高が高い場所は、地上(海抜0メートルの場所)よりも寒いです。一般的に「標高(高度、高さ)が100メートル高くなると、気温は $0.6$ 度程度下がる」と言われています。

このページでは、標高と気温の関係について詳しく解説します。

標高と気温の関係

(国際標準大気による定義では)標高が100メートル上がると気温は $0.649$ 度下がるとされています。

ただし $0.649$ という数字は、大気の湿度などによって変化します。そのため、大雑把に、
高度が $100$ メートル上がると $0.6$ 度寒くなる
高度が1キロメートル上がると $6$ 度寒くなる
などと覚えると良いでしょう。

※なお、この規則が適用できるのは、高度11キロメートル付近までです。

大雑把な気温差の例

富士山の山頂(標高3776m)と地上(海抜0m)では気温が約23℃違います。

エベレストの山頂(標高8848m)と地上(海抜0m)では気温が約53℃違います。

旅客機が飛ぶ高さ(標高10000m)と地上(海抜0m)では気温が約60℃違います。

※高度が $100$ メートル上がると $0.6$ 度寒くなる、という考え方で計算を行いました。

標高差から気温差を計算するツール

標高差から気温差を計算するツールです。標高差を入力してから「気温差を計算する」ボタンを押してください。
標高差:メートル
気温減率:
気温差:

※あくまで大雑把な計算ですので、デフォルトの気温減率は $0.6$ としています。

標高が高いと気温が下がる理由

「なぜ、標高が高いと気温が下がるのか」を理解するためには、高校物理の知識が必要です。

標高が高い地点は、標高が低い地点よりも大気の圧力は小さくなります。圧力が下がると、空気は膨張します。空気が膨張する際に、外部に仕事をするので、内部エネルギーが下がって気温が下がります。

※断熱変化において熱力学第一法則を適用すると、
「外部にした仕事量」=「内部エネルギーの減少量」
が分かります。

湿度と気温減率

$0.649$ という数字(気温減率、気温逓減率)は湿度などによって変わると言いましたが、湿度が高い方が、数字は大きくなります。

つまり、乾燥している方が、高度が上がるごとに特に寒くなると言えます。

理由

湿度が高い場合、水蒸気が凝結する際に潜熱を放出するため、高度が上がった際の気温の減少量は小さくなります。

次回は 絶対温度(K)と普通の温度(セルシウス温度)の意味と変換ツール を解説します。

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