このページでは、$53\times 47$ や $32\times 38$ といった、2桁どうしのかけ算を暗算で素早く計算する方法を4つ紹介します。
パターン1:35×35などのかけ算
まずは、2桁どうしのかけ算の中でも、$35\times 35$ や $75\times 75$ のように、1の位が $5$ で同じ数字であるかけ算を暗算でやる方法を紹介します。
これは、○=3の場合です。$3\times 4=12$ を頭、$25$ を末尾にすればよいので答えは $1225$ となります。
これは、○=7の場合です。$7\times 8=56$ を頭、$25$ を末尾につければOKなので答えは $5625$ となります。
パターン2:29×31などのかけ算
次は、2桁どうしのかけ算の中でも、$29\times 31$ や $53\times 47$ のように「区切りのよい数字にある数を足したもの」×「区切りのよいからある数を引いたもの」というタイプのかけ算を暗算でやる方法を紹介します。
$30$ という区切りのよい数字から、$1$ を引いたものと $1$ を足したもののかけ算になっています。以下のように計算できます。
$(30-1)(30+1)=30^2-1$
$=900-1=899$
$50$ という区切りのよい数字から、$3$ を引いたものと $3$ を足したもののかけ算になっています。以下のように計算できます。
$(50+3)(50-3)=50^2-3^2$
$=2500-9=2491$
パターン3:32×38などのかけ算
$(35-3)(35+3)=35^2-3^2$
$=1225-9=1216$
と計算できます($35^2$ はパターン1で暗算できる)。
$(85-1)(85+1)=85^2-1^2$
$=7225-1=7224$
と計算できます($85^2$ はパターン1で暗算できる)。
途中式を丁寧に書いたので少しめんどくさそうですが、慣れれば筆算よりかなり速く計算できます。
パターン4:二桁の整数の二乗
上の公式で $a=11$ としてみます:
$11^2=(11-b)(11+b)+b^2$
ここで、$b=1$ とすれば、$11-b=10$ となって計算しやすくなります:
$11^2=(11-1)(11+1)+1^2\\
=10\times 12+1^2=121$
上の公式で $a=32$ としてみます:
$32^2=(32-b)(32+b)+b^2$
ここで、$b=2$ とすれば、$32-b=30$ となって計算しやすくなります:
$32^2=(32-2)(32+2)+2^2\\
=30\times 34+2^2=1024$
上の公式で $a=58$ としてみます:
$58^2=(58-b)(58+b)+b^2$
ここで、$b=2$ とすれば、$58+b=60$ となって計算しやすくなります:
$58^2=(58-2)(58+2)+2^2\\
=56\times 60+2^2=3364$
このパターンは、先ほどまでの3つのパターンほど効果は高くありませんが、覚えておいて損はないです。
2桁どうしのかけ算の万能な方法は?
このページでは、2桁どうしのかけ算を素早く計算する方法を4つ紹介しました。これらの4つのタイプは、使える場合は限られていますが、効果は抜群です。
一方、どんな場合にも使える方法もいくつか提唱されていますが(東大式など)、個人的には、筆算でやるのと大差が無いように感じており、万能な方法は筆算を丁寧にやることだと思います。
次回は 計算の順番のルールと例題(+-×÷とカッコ、累乗) を解説します。