$ax^4+bx^2+c$ という形の式を複二次式と言う。
複二次式の因数分解のやり方は2パターンある。
複二次式のタイプの因数分解について、詳しく解説します。
パターン1:$x^2=X$ と置くパターン
例題1
$x^4+2x^2-3$ を因数分解せよ。
解答
$x^2=X$ とおくと、
$X^2+2X-3$
となります。これは普通の二次式であり、因数分解できます:
$X^2+2X-3=(X+3)(X-1)$
$X$ を $x$ に戻します:
$(x^2+3)(x^2-1)$
さらに、$x^2-1$ は因数分解できるので、答えは
$(x^2+3)(x+1)(x-1)$
パターン2:平方の差を作るパターン
$x^4$ の項と定数項を見て平方の差を作ります。因数分解の中ではかなり難問の部類です。たくさん問題を解いてコツをつかんでください!
例題2
$x^4+x^2+1$ を因数分解せよ。
解答
$x^4+x^2+1=(x^2+1)^2-x^2$
と変形できます(この変形が難しい)。
これは平方の差であり、$A^2-B^2=(A+B)(A-B)$ という因数分解公式が使えるので、
$(x^2+1)^2-x^2\\
=(x^2+1+x)(x^2+1-x)$
答えは(順番を整理すると)
$(x^2+x+1)(x^2-x+1)$
練習問題
パターン1とパターン2を混ぜてみました。パターン1を試して無理そうだったらパターン2を考えてみるとよいでしょう。
例題3
$x^4-6x^2+1$ を因数分解せよ。
解答
パターン2です。平方の差を作りましょう。
$x^4-6x^2+1\\
=(x^2-1)^2-4x^2\\
=(x^2-1)^2-(2x)^2$
$=(x^2+2x-1)(x^2-2x-1)$
例題4
$2x^4+x^2-1$ を因数分解せよ。
解答
パターン1です。$x^2=X$ とおくと、
$2X^2+X-1$
これはたすきがけの因数分解より、
$(2X-1)(X+1)$
つまり
$(2x^2-1)(x^2+1)$
例題5
$25x^4+6x^2+1$ を因数分解せよ。
解答
パターン2です。
$25x^4+6x^2+1\\
=(5x^2+1)^2-4x^2\\
=(5x^2+1)^2-(2x)^2$
$=(5x^2+2x+1)(5x^2-2x+1)$
次回は a^3+b^3+c^3-3abcの因数分解と応用問題2問 を解説します。