二次関数y=ax^2の変化の割合の公式と求め方

最終更新日 2019/04/20

このページでは、
・そもそも変化の割合とは?
・$y=ax^2$ の変化の割合の計算方法は?
・変化の割合を計算する公式の証明は?

といった疑問にお答えします。

そもそも変化の割合とは

変化の割合とは「$x$ の値が増えたときに $y$ の値がどれくらい増えるかを表す割合」です。

変化の割合は、
「$y$ の増加量」$\div$「$x$ の増加量」
で計算することができます。

例えば $y=2x^2$ について、$x=1$ から $x=3$ まで変化するときの変化の割合を計算してみましょう。

「$x$ の増加量」は $3-1=2$
です。

また、
$x=1$ のとき $y=2\cdot 1^2=2$
$x=3$ のとき $y=2\cdot 3^2=18$
なので、
「$y$ の増加量」は $18-2=16$
です。

よって、変化の割合は、
「$y$ の増加量」$\div$「$x$ の増加量」
$=16\div 2=8$
となります。

y=ax^2 の変化の割合を求める公式

$y=ax^2$ について、$x$ が $p$ から $q$ まで変化するときの変化の割合は、
$a(p+q)$
で計算することができます。

例えば、先ほどの例題:
$y=2x^2$ について、$x=1$ から $x=3$ まで変化するときの変化の割合
を計算してみましょう。

この場合、$a=2$、$p=1$、$q=3$ なので、変化の割合の公式より、
$a(p+q)=2(1+3)=8$
となります。

変化の割合の公式 $a(p+q)$ を使うことで、簡単に計算できました!

公式の証明

$y=ax^2$ において $x=p$ から $x=q$ まで変化するとき、変化の割合が
$a(p+q)$
で計算できることを証明します。

「$x$ の増加量」は $q-p$ です。
また「$y$ の増加量」は $aq^2-ap^2$ です。

よって、変化の割合は、
$\dfrac{aq^2-ap^2}{q-p}$
となります。分子を因数分解すると、

$\dfrac{a(q^2-p^2)}{q-p}\\
=\dfrac{a(q+p)(q-p)}{q-p}\\
=a(p+q)$
となります。

$q-p$ が分母と分子に登場するので約分できてきれいな公式になりました。$y=ax^2$ の変化の割合の公式は、ぜひ覚えておきましょう。ちなみに、変化の割合は「平均変化率」とも呼ばれます。

aの値を求める問題

変化の割合から $a$ の値を求める問題も頻出です。

$y=ax^2$ について、$x$ が $-3$ から $5$ まで増加するときの変化の割合が $-6$ であるとする。このとき $a$ の値を計算してみましょう。

解答1(定義から計算する)

この場合、$x$ の増加量は $5-(-3)=8$
です。

また、
$x=-3$ のとき $y=a\cdot (-3)^2=9a$
$x=5$ のとき $y=a\cdot 5^2=25a$
なので、$y$ の増加量は $25a-9a=16a$
です。

よって、変化の割合は、$\dfrac{16a}{8}=2a$ となります。

これが $-6$ なので、$2a=-6$ です。よって、$a=-3$ となります。

解答2(公式を使う)

公式を使うと、変化の割合は
$a\{5+(-3)\}=2a$
となります。

これが $-6$ なので、$a=-3$ となります。

次回は 3点を通る二次関数の決定(例題2問) を解説します。

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