G は重力を基準とした、加速度の大きさを表す単位です。G の意味と、G がどれくらいの大きさなのかについて紹介します。
Gの意味(大雑把な説明)
同様に、
・重力の2倍の大きさの力が加わる状況を2G
・重力の $k$ 倍の大きさの力が加わる状況を $k$ G
などと言うことがあります。
Gはどれくらいの大きさなのか
0.2 G はどれくらい?
エレベーターに乗っているときに受ける力(慣性力)による加速度は、大きくても $0.2$ G程度です。例えば、体重が $100\:\mathrm{kg}$ の人が $0.2$ G相当の力を下向きに受ける場合、自分では体重 $120\:\mathrm{kg}$ を支えているような重い感覚になります。逆に $0.2$ G相当の力を上向きに受ける場合、自分では体重 $80\:\mathrm{kg}$ を支えているような軽い感覚になります。
3 G はどれくらい?
スペースシャトルの発射から大気圏突入までの間の加速度の最大値です。
5 G はどれくらい?
激しいジェットコースターの加速度の最大値がおよそ5Gです。重力の5倍もの力が加わる状況だなんて恐ろしいですね。
参考:Wikipedia: G-force
G と移動距離
止まっている人に $k$ G に相当する力のみを $t$ 秒間加えた場合に移動する距離は、
$\dfrac{1}{2}kgt^2$
メートルです。
例えば、$t=1$ とすると、$g\fallingdotseq 9.8\:\mathrm{m/s^2}$ なので、
1Gの場合「1秒で約4.9メートル」
2Gの場合「1秒で約9.8メートル」
3Gの場合「1秒で約14.7メートル」
です。
「2Gはどれくらいの大きさ?」
と聞かれたら
「1秒間に10メートルくらい吹っ飛ばされるくらいの(加速度の)大きさ」
と答えれば良いでしょう。
Gの意味(正確な説明)
正しい説明
「1Gという加速度」は「重力以外に力を受けない場合に、物体に生じる加速度」
通じるけど厳密には間違っている説明
「1Gという力」は「重力と同じ大きさの力」
※加速度に質量をかけると力になります。(質量 $m$ の物体にかかる重力の大きさは $mg$ です)。
次回は 自由落下における距離と時間と速さの関係 を解説します。