ベクトルの外積(定義、意味、微分の公式)

二つの三次元ベクトル(空間ベクトル)$\overrightarrow{a}=(x_1,y_1,z_1)$、$\overrightarrow{b}=(x_2,y_2,z_2)$ に対して、外積という三次元ベクトルを $(y_1z_2-z_1y_2,z_1x_2-x_1z_2,x_1y_2-y_1x_2)$ で定める。記号は $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ を用いる。

外積の定義(成分表示)

~目次~
・外積の具体例
・外積の性質1(直交)
・外積の性質2(面積)
・外積の微分の公式

具体例

二つのベクトルの内積は数値(スカラー)を返すのに対して、外積はベクトルを返します。

例:$\overrightarrow{a}=(1,2,3)$、$\overrightarrow{b}=(4,5,6)$ に対して、それらの外積 $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ を計算せよ。

解答

外積の $x$ 成分は、$2\cdot 6-3\cdot 5=-3$
外積の $y$ 成分は、$3\cdot 4-1\cdot 6=6$
外積の $z$ 成分は、$1\cdot 5-2\cdot 5=-3$
よって、$\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}=(-3,6,-3)$

性質1:外積はもとのベクトルに直交する

外積 $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ はもとのベクトル $\overrightarrow{a}$、$\overrightarrow{b}$ それぞれと直交する。
という性質があります。実際、先ほどの例では、
$(\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b})\cdot\overrightarrow{a}\\
=-3\cdot 1+6\cdot 2+(-3)\cdot 3=0$
$(\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b})\cdot\overrightarrow{b}\\
=-3\cdot 4+6\cdot 5+(-3)\cdot 6=0$
とり直交していることが確認できます。

つまり、二つの空間ベクトルが与えられたとき、それら両方ともに直交するベクトルを素早く求めるときに外積が使えるということになります。

性質2:外積の大きさは面積を表す

外積の大きさと面積の関係

外積 $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ の大きさはもとのベクトル $\overrightarrow{a}$、$\overrightarrow{b}$ が張る平行四辺形(図参照)の面積と等しい。
という性質があります。

つまり、二つの空間ベクトルが与えられたとき、それらが張る平行四辺形の面積を素早く求めるときにも外積が使えるということになります。

微分の公式

ベクトル解析の公式です(大学の力学、電磁気で使います)。
$\overrightarrow{a}$ と $\overrightarrow{b}$ が時刻 $t$ に依存するとき、外積 $\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b}$ の微分は、
$\dfrac{d(\overrightarrow{a}\times \overrightarrow{b})}{dt}=\dfrac{d\overrightarrow{a}}{dt}\times \overrightarrow{b}+\overrightarrow{a}\times \dfrac{d\overrightarrow{b}}{dt}$ で計算することができます。

積の微分公式を使って成分ごとに計算すれば証明できます。
関連:ベクトルの微分、ベクトルで微分

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