一様な円柱と円錐の慣性モーメント

最終更新日 2018/07/08

半径が RR、質量が MM の一様な円柱について、回転軸 ll のまわりの慣性モーメントは、I=12MR2I=\dfrac{1}{2}MR^2

底面の半径が RR、質量が MM の一様な円錐について、回転軸 mm のまわりの慣性モーメントは、I=310MR2I=\dfrac{3}{10}MR^2

円柱と円錐の慣性モーメント

円柱の慣性モーメント

軸からの距離が rr から r+Δrr+\Delta r の間にある微小部分の、慣性モーメントへの寄与 ΔI\Delta I を計算して、最後に積分します。
円柱の慣性モーメント

まず、大きな円柱の密度は、
ρ=M÷πR2h\rho = M\div \pi R^2h です。

また、円柱の高さを hh とすると、この微小部分の体積は、
ΔV=2πrΔr×h\Delta V=2\pi r\Delta r\times h とみなせます。

よって、微小部分の質量は、
Δm=ρΔV=MπR2h2πrhΔr=2MrR2Δr\begin{aligned}\Delta m&=\rho \Delta V\\&=\dfrac{M}{\pi R^2h}\cdot 2\pi rh\Delta r\\&=\dfrac{2Mr}{R^2}\Delta r\end{aligned}
となります。

よって、
ΔI=r2Δm=2MR2r3Δr\begin{aligned}\Delta I&=r^2\Delta m\\&=\dfrac{2M}{R^2}r^3\Delta r\end{aligned}
となります。これを積分すると、

I=0R2MR2r3dr=2MR2R44=12MR2\begin{aligned}I&=\displaystyle\int_0^R\dfrac{2M}{R^2}r^3 dr\\&=\dfrac{2M}{R^2}\cdot\dfrac{R^4}{4}\\&=\dfrac{1}{2}MR^2\end{aligned}
となります。

薄い円板の慣性モーメント

円柱の慣性モーメントは、12MR2\dfrac{1}{2}MR^2 でした。これは、円柱の高さ hh には依存していません。

したがってどんなに薄い円板でも、慣性モーメントは 12MR2\dfrac{1}{2}MR^2 になります。

この結果を使って、円錐の慣性モーメントを計算してみます。

円錐の慣性モーメント

底面から、高さが hh から h+Δhh+\Delta h の間にある微小部分の、慣性モーメントへの寄与 ΔI\Delta I を計算して、最後に積分します。
円錐の慣性モーメント

この微小部分は薄い円板とみなせるので、質量を Δm\Delta m、半径を rr とすると、上記の薄い円板の慣性モーメントの結果から、
ΔI=12r2Δm\Delta I=\dfrac{1}{2}r^2\Delta m
となります。

あとは、rrΔm\Delta m をそれぞれ求めて積分すればOKです。

まず、円錐の高さを HH とすると、r=R×hHr=R\times\dfrac{h}{H} となります。

次に、Δm\Delta m ですが、円錐の密度が
ρ=M÷13πR2H\rho = M\div \dfrac{1}{3}\pi R^2H
であることと、

この薄い円板の体積が
ΔV=πr2Δh\Delta V=\pi r^2\Delta h
であることから、

微小部分の質量は、
Δm=ρΔV=3Mπr2πR2HΔh=3Mr2R2HΔh\begin{aligned}\Delta m&=\rho \Delta V\\&=\dfrac{3M\pi r^2}{\pi R^2H}\Delta h\\&=\dfrac{3Mr^2}{R^2H}\Delta h\end{aligned}
となります。

以上により、
ΔI=12r2Δm=123MR2Hr4Δh\begin{aligned}\Delta I&=\dfrac{1}{2}r^2\Delta m\\&=\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{3M}{R^2H}r^4\Delta h\end{aligned}
となります。これを積分すると、

I=0H123MR2Hr4dh=0H3M2R2R4h4H5dh=3MR221H515H5=310MR2\begin{aligned}I&=\displaystyle\int_0^H\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{3M}{R^2H}r^4 dh\\&=\displaystyle\int_0^H\dfrac{3M}{2R^2}\cdot\dfrac{R^4h^4}{H^5}dh\\&=\dfrac{3MR^2}{2}\cdot\dfrac{1}{H^5}\cdot\dfrac{1}{5}H^5\\&=\dfrac{3}{10}MR^2\end{aligned}
となります。

次回は アルコールの度数や量を計算する公式といろいろな例 を解説します。

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