同時確率密度関数から期待値、分散、共分散を計算する

最終更新日 2019/06/24

同時分布から期待値、分散、共分散を計算する方法を説明します。連続型確率分布の場合について説明しますが、離散型確率分布の場合、積分が $\Sigma$ に変わるだけでほとんど同じです。

※一変数確率分布の場合については確率密度関数から期待値と分散を求める方法をご参照ください。

期待値の求め方

$X$ の期待値(平均)は、
$E[X]=\displaystyle\int\int xf(x,y)dxdy$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ の期待値を計算してみましょう。

公式より、
$E[X]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 x(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^2+xy)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\left[\dfrac{x^3}{3}+\dfrac{x^2y}{2}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{1}{3}+\dfrac{y}{2}\right)dy\\
=\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}\\
=\dfrac{7}{12}$

$E[Y]$ も同様です。

分散の求め方

$X$ の分散の定義は
$\mathrm{Var}[X]=E[(X-E[X])^2]$
ですが、
$\mathrm{Var}[X]=E[X^2]-E[X]^2$
という公式を使えば計算が簡単になることが多いです。

つまり、分散は、期待値 $E[X]$ を求めた上で
$\mathrm{Var}[X]\\=\displaystyle\int\int x^2f(x,y)dxdy-E[X]^2$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ の分散を計算してみましょう。

まず、
$E[X^2]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 x^2(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^3+x^2y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\left[\dfrac{x^4}{4}+\dfrac{x^3y}{3}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{1}{4}+\dfrac{y}{3}\right)dy\\
=\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{6}\\
=\dfrac{5}{12}$

となるので、分散は、先ほどの結果 $E[X]=\dfrac{7}{12}$ も使うと、
$\mathrm{Var}[X]=E[X^2]-E[X]^2\\
=\dfrac{5}{12}-\dfrac{49}{144}\\
=\dfrac{11}{144}$
となります。

共分散の求め方

共分散の定義は
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[(X-E[X])(Y-E[Y])]$
ですが、
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[XY]-E[X]E[Y]$
という公式を使えば計算が簡単になることが多いです。

つまり、共分散は、期待値 $E[X]$、$E[Y]$ を求めた上で
$\mathrm{Cov}(X,Y)\\=\displaystyle\int\int xyf(x,y)dxdy-E[X]E[Y]$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ と $Y$ の共分散を計算してみましょう。

まず、
$E[XY]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 xy(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^2y+xy^2)dxdy\\
=\displaystyle\int\left[\dfrac{x^3y}{3}+\dfrac{x^2y^2}{2}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{y}{3}+\dfrac{y^2}{2}\right)dy\\
=\dfrac{1}{6}+\dfrac{1}{6}\\
=\dfrac{1}{3}$

となるので、共分散は、先ほどの結果 $E[X]=E[Y]=\dfrac{7}{12}$ も使うと、
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[XY]-E[X]E[Y]\\
=\dfrac{1}{3}-\dfrac{49}{144}\\
=-\dfrac{1}{144}$
となります。

次回は 正規分布の再生性の2通りの証明 を解説します。

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