同時確率密度関数から期待値、分散、共分散を計算する

同時分布から期待値、分散、共分散を計算する方法を説明します。連続型確率分布の場合について説明しますが、離散型確率分布の場合、積分が $\Sigma$ に変わるだけでほとんど同じです。

※一変数確率分布の場合については確率密度関数から期待値と分散を求める方法をご参照ください。

期待値の求め方

$X$ の期待値(平均)は、
$E[X]=\displaystyle\int\int xf(x,y)dxdy$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ の期待値を計算してみましょう。

公式より、
$E[X]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 x(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^2+xy)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\left[\dfrac{x^3}{3}+\dfrac{x^2y}{2}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{1}{3}+\dfrac{y}{2}\right)dy\\
=\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}\\
=\dfrac{7}{12}$

$E[Y]$ も同様です。

分散の求め方

$X$ の分散の定義は
$\mathrm{Var}[X]=E[(X-E[X])^2]$
ですが、
$\mathrm{Var}[X]=E[X^2]-E[X]^2$
という公式を使えば計算が簡単になることが多いです。

つまり、分散は、期待値 $E[X]$ を求めた上で
$\mathrm{Var}[X]\\=\displaystyle\int\int x^2f(x,y)dxdy-E[X]^2$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ の分散を計算してみましょう。

まず、
$E[X^2]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 x^2(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^3+x^2y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\left[\dfrac{x^4}{4}+\dfrac{x^3y}{3}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{1}{4}+\dfrac{y}{3}\right)dy\\
=\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{6}\\
=\dfrac{5}{12}$

となるので、分散は、先ほどの結果 $E[X]=\dfrac{7}{12}$ も使うと、
$\mathrm{Var}[X]=E[X^2]-E[X]^2\\
=\dfrac{5}{12}-\dfrac{49}{144}\\
=\dfrac{11}{144}$
となります。

共分散の求め方

共分散の定義は
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[(X-E[X])(Y-E[Y])]$
ですが、
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[XY]-E[X]E[Y]$
という公式を使えば計算が簡単になることが多いです。

つまり、共分散は、期待値 $E[X]$、$E[Y]$ を求めた上で
$\mathrm{Cov}(X,Y)\\=\displaystyle\int\int xyf(x,y)dxdy-E[X]E[Y]$
という式で計算することができます。

例として、同時確率密度関数が
$f(x,y)=x+y\:(0\leq x,y\leq 1)$
で表されるような確率分布について、$X$ と $Y$ の共分散を計算してみましょう。

まず、
$E[XY]=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 xy(x+y)dxdy\\
=\displaystyle\int_0^1\int_0^1 (x^2y+xy^2)dxdy\\
=\displaystyle\int\left[\dfrac{x^3y}{3}+\dfrac{x^2y^2}{2}\right]_0^1 dy\\
=\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{y}{3}+\dfrac{y^2}{2}\right)dy\\
=\dfrac{1}{6}+\dfrac{1}{6}\\
=\dfrac{1}{3}$

となるので、共分散は、先ほどの結果 $E[X]=E[Y]=\dfrac{7}{12}$ も使うと、
$\mathrm{Cov}(X,Y)=E[XY]-E[X]E[Y]\\
=\dfrac{1}{3}-\dfrac{49}{144}\\
=-\dfrac{1}{144}$
となります。

次:多変量正規分布における条件付き確率の式と意味
前:同時分布、周辺分布、条件付き分布の意味と例

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