鋭角三角形と鈍角三角形の意味と見分け方

最終更新日 2019/04/09
鋭角三角形と鈍角三角形

三角形について、
1番大きい角度が $90^{\circ}$ より小さい→鋭角三角形
1番大きい角度が $90^{\circ}$ ぴったり→直角三角形
1番大きい角度が $90^{\circ}$ より大きい→鈍角三角形

鋭角三角形、鈍角三角形とは

鋭角(えいかく)の「鋭」は「するどい」とも読みます。
鋭角三角形とは、1番大きい角度が「するどい」($90^{\circ}$ より小さい)三角形のことです。

鈍角(どんかく)の「鈍」は「にぶい」とも読みます。
鈍角三角形とは、1番大きい角度が「にぶい」($90^{\circ}$ より大きい)三角形のことです。

「するどい」と「にぶい」のちょうと中間($90^{\circ}$)の角を持つのが直角三角形です。

鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形の見分け方

内角が分かっているときは、1番大きい角度が $90^{\circ}$ より大きいかどうかを見れば、鋭角三角形か鈍角三角形かを判別することができます。

では、辺の長さが分かっているときに鋭角三角形か鈍角三角形かを判別するにはどうすればよいか考えてみましょう。

三角形の3辺の長さを $a$、$b$、$c$ とします($a$ が最大の辺の長さとする)。

このとき、
$a^2 < b^2+c^2$ なら鋭角三角形
$a^2=b^2+c^2$ なら直角三角形
$a^2 > b^2+c^2$ なら鈍角三角形
という条件が成立します。

例題

3辺の長さが $3,5,6$ の三角形は鋭角三角形か?直角三角形か?鈍角三角形か?

解答

最大の辺の長さの二乗は、$a^2=6^2=36$
それ以外の2つの辺の長さの二乗和は、$b^2+c^2=3^2+5^2=9+25=34$
よって($a^2 > b^2+c^2$ という条件が成立するので)
鈍角三角形となります。

見分け方の理由

ここからは高校生向けです。高校数学で習う余弦定理を使って上の判定条件を証明します。

余弦定理より、
$\cos A=\dfrac{b^2+c^2-a^2}{2bc}$
なので、
もし $a^2 < b^2+c^2$ なら
$b^2+c^2-a^2 > 0$
→ $\cos A > 0$
→ $A$ は $90^{\circ}$ より小さい
鋭角三角形

もし $a^2 > b^2+c^2$ なら
$b^2+c^2-a^2 < 0$
→ $\cos A < 0$
→ $A$ は $90^{\circ}$ より大きい
鈍角三角形

となります。直角三角形についても上と同じように分かります(三平方の定理の逆からも分かります)。

次回は 三角形の合同条件を図で分かりやすく説明 を解説します。

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