ベルヌーイ分布の意味、性質、二項分布との関係など

最終更新日 2019/07/06

ベルヌーイ分布について整理しました。

ベルヌーイ分布とは

確率 $p$ で $1$、確率 $1-p$ で $0$ をとるような分布のことをベルヌーイ分布と言います。

例えば、表が出る確率が $p$ であるコインを投げたときに、
表が出る → $X=1$
裏が出る → $X=0$
に対応させると、$X$ はベルヌーイ分布に従います。

つまり、ベルヌーイ分布は、1回のコイン投げを表現する分布と言えます。

ちなみに、コイン投げのように、結果が2通りしかないような試行のことを、ベルヌーイ試行と言うことがあります。

確率質量関数

ベルヌーイ分布の確率関数(確率質量関数)は、
$P(1)=p$
$P(0)=1-p$
です。

この2つの式をまとめて、
$P(k)=p^k(1-p)^{1-k}$
と書くこともできます。

※ベルヌーイ分布は、離散型確率分布なので「確率密度関数」ではなく「確率質量関数」です。

期待値

ベルヌーイ分布の期待値は $p$ です。

証明.
$X$ がベルヌーイ分布に従うとき、
$E[X]=1\times p+0\times(1-p)=p$
です。

分散

ベルヌーイ分布の分散は $p(1-p)$ です。

証明.
期待値と同様に、
$E[(X-p)^2]\\
=E[X^2]-2pE[X]+p^2\\
=p-2p^2+p^2\\
=p(1-p)$
となっています。

ベルヌーイ分布の和

$X_1$ と $X_2$ が、それぞれ($p$ の値が同じである)ベルヌーイ分布に従うとき、$X_1+X_2$ は二項分布に従います。

$X_1+X_2$ は、コイン投げを2回したときに表が出る回数に対応します。

より一般に、コイン投げを $n$ 回したときに表が出る回数が従う分布が二項分布です。二項分布は、$n$ 個のベルヌーイ分布の和で表現できます。

コイン投げ $n$ 回に対応する二項分布の確率質量関数は、
$P(k)={}_n\mathrm{C}_kp^k(1-p)^{1-k}$
になります。

ベルヌーイ分布は二項分布の特殊ケース($n=1$ の場合)です。

特性関数

ベルヌーイ分布の特性関数は、$\phi(t)=1-p+pe^{it}$ です。

証明.
期待値や分散と同様に、計算できます:
$E[e^{itX}]\\
=pe^{it}+(1-p)e^{0}\\
=1-p+pe^{it}$

次回は ベータ分布と他の分布のおもしろい3つの関係 を解説します。

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