直線が与えられたとき、それと同じ「方向」を向いたベクトルのことを方向ベクトルと言う。
直線に対して、赤いベクトルも青いベクトルも緑のベクトルも全て方向ベクトル(長くても、短くても、逆向きでも方向ベクトル)。

方向ベクトルの求め方
例題1:
直線 y=2x+3 の方向ベクトルを1つ求めよ。
考え方1
2点 →a と →b を通る直線の方向ベクトルの1つは、→a−→b です。

よって、通る2点が分かれば方向ベクトルが計算できます。
さて、この直線の式に x=0 と x=1 を代入すると、(0,3) と (1,5) を通ることが分かります。よって、方向ベクトルは、(1−05−3)=(12)
考え方2
傾きが 2 なので、x が 1 増加すると、y は 2 増加します。よって、方向ベクトルは、→t=(12)
ax+by+c=0 タイプの場合
例題2:ax+by+c=0 の方向ベクトルを1つ求めよ。
考え方1
ax+by+c=0 の法線ベクトル(直線と垂直なベクトル)の1つは、→n=(ab) です。

よって、方向ベクトルを →t=(xy) とおくと、→n⋅→t=0 となります。
つまり、ax+by=0 です。
ここで、x=−b、y=a とすれば上の式を満たします。よって、方向ベクトルの1つは、
→t=(−ba)
となります。
考え方2(a も b も 0 でないときに使える)
この直線は (0,−cb) と (−ca,0) を通ります。よって、方向ベクトルは、(−ca−00−(−cb))=(−cacb)
方向ベクトルは定数倍しても方向ベクトルなので、見やすくするために abc 倍すると、
→t=(−ba)
となります。
まとめ
・y=ax+b の方向ベクトルの1つは、(1a)
・ax+by+c=0 の方向ベクトルの1つは、(−ba)
・2点 →p と →q を通る直線の方向ベクトルの1つは、→p−→q
・方向ベクトルを定数倍したものも方向ベクトル。
次回は 内積の意味と3つの公式 を解説します。