複素数の絶対値
例題1
複素数
・$3+2i$
・$-2-i$
・$4i$
の絶対値をそれぞれ求めよ。
解答
$3+2i$ の絶対値は、$\sqrt{3^2+2^2}=\sqrt{13}$
$-2-i$ の絶対値は、$\sqrt{(-2)^2+(-1)^2}=\sqrt{5}$
$4i$ の絶対値は、$\sqrt{0^2+4^2}=4$
このように、複素数の絶対値は実数になります。
かけ算、分数の絶対値
わり算の性質:$\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|=\dfrac{|z_1|}{|z_2|}$
例題2
複素数 $(3+4i)(1+2i)$ および $\dfrac{3+4i}{1+2i}$ の絶対値を計算せよ。
解答
$|3+4i|=\sqrt{3^2+4^2}=5$
$|1+2i|=\sqrt{1^2+2^2}=\sqrt{5}$
よって、かけ算の絶対値は、
$|(3+4i)(1+2i)|\\
=|3+4i||1+2i|$
$=5\sqrt{5}$
また、割り算の絶対値は、
$\dfrac{3+4i}{1+2i}\\
=|3+4i|\div |1+2i|\\
=5\div \sqrt{5}$
$=\sqrt{5}$
二乗の絶対値
$z$ の共役複素数を $\overline{z}$ と書きます。
複素数 $z$ の絶対値の二乗 $|z|^2$ は $z\overline{z}$ と一致します。
これは暗記しておきましょう。
例えば、複素数 $z$ に対して、実数の展開公式のように
$|z+2|^2=z^2+4z+4$ と計算したくなりますが、これは間違いです。
(左辺は必ず実数ですが、右辺は多くの $z$ の場合で虚数になることから、この式が一般には正しくないことが分かります)
$|z+2|^2=(z+2)(\overline{z}+2)$
が正しい変形になります。
次回は 複素数の偏角の求め方と公式 を解説します。