サイコロ1個の出目について、
期待値は $\dfrac{7}{2}$、分散は $\dfrac{35}{12}$、標準偏差は $\sqrt{\dfrac{35}{12}}$
サイコロn個の出目の平均について、
期待値は $\dfrac{7}{2}$、分散は $\dfrac{35}{12n}$、標準偏差は $\sqrt{\dfrac{35}{12n}}$
サイコロ1個の期待値、分散、標準偏差
サイコロを1個ふったときの出目を表す確率変数を $X$ とします。ただし、サイコロは公平(どの目の出る確率も $\dfrac{1}{6}$ )とします。
期待値は、
$E[X]=\dfrac{1+2+3+4+5+6}{6}=\dfrac{7}{2}=3.5$
分散は、
$V[X]\\
=\dfrac{1}{6}\{(1-3.5)^2+(2-3.5)^2+(3-3.5)^2\\
+(4-3.5)^2+(5-3.5)^2+(6-3.5)^2\}\\
=\dfrac{1}{6}(6.25+2.25+0.25+0.25+2.25+6.25)\\
=\dfrac{17.5}{6}\\
=\dfrac{35}{12}$
標準偏差は、
$\sigma(X)=\sqrt{V[X]}\\
=\sqrt{\dfrac{35}{12}}\\
\fallingdotseq 1.71$
サイコロ2個の場合
サイコロの出目を表す確率変数をそれぞれ $X_1,X_2$ とします。出目の和 $X_1+X_2$ について考えてみます。
期待値は(それぞれの期待値の和になるので)、
$E[X_1+X_2]=E[X_1]+E[X_2]\\
=3.5+3.5=7$
分散は($X_1$ と $X_2$ が独立ならそれぞれの分散の和になるので)、
$V[X_1+X_2]=V[X_1]+V[X_2]\\
=\dfrac{35}{12}+\dfrac{35}{12}\\
=\dfrac{35}{6}$
標準偏差は、
$\sqrt{\dfrac{35}{6}}\fallingdotseq 2.42$
サイコロn個の場合
$i$ 個目のサイコロの出目を表す確率変数を $X_i$ とします。出目の和は発散してしまうので「$n$ 個の平均」 $Y=\dfrac{X_1+X_2+\cdots +X_n}{n}$ について考えてみます。
「$n$ 個の平均」の期待値は、
$E[Y]=\dfrac{1}{n}(E[X_1]+E[X_2]+\cdots +E[X_n])\\
=\dfrac{1}{n}(3.5\times n)\\
=3.5$
「$n$ 個の平均」の分散は、
$V[Y]=\dfrac{1}{n^2}(V[X_1]+V[X_2]+\cdots +V[X_n])\\
=\dfrac{1}{n^2}\left(\dfrac{35}{12}\times n\right)\\
=\dfrac{35}{12n}$
「$n$ 個の平均」の標準偏差は、
$\sigma[Y]=\sqrt{V[Y]}\\
=\sqrt{\dfrac{35}{12n}}$
次回は 階乗の意味と値一覧など を解説します。