数列の和 $S_n$ から一般項 $a_n$ を求めるときには、
$S_{n}-S_{n-1}=a_n\:(n\geq 2)$
$S_1=a_1$
という2つの公式を使う。場合分けを忘れないように!
簡単な例題
例題
数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ が $S_n=n^2$ であるとき、この数列の一般項を求めよ。
解答
$a_n=S_n-S_{n-1}$(→補足)
なので、
$a_n=n^2-(n-1)^2\\
=n^2-(n^2-2n+1)\\
=2n-1$
となります。ただし、$a_n=S_n-S_{n-1}$ という公式は $n\geq 2$ のときに成り立つ公式です。
よって、$n=1$ のときは $a_1=S_1$ を使う必要があります:
$a_1=S_1=1$
(これは上の結果に $n=1$ を代入したものと一致します)
以上をまとめると、一般項は $a_n=2n-1$
補足:($n$ 番目まで足したもの)から($n-1$ 番目まで足したもの)を引くと $n$ 番目になるというわけです。
場合分けが重要になる例題
例題
数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ が $S_n=3^n$ であるとき、この数列の一般項を求めよ。
解答
$a_n=S_n-S_{n-1}$
なので、
$a_n=3^n-3^{n-1}\\
=3^{n-1}(3-1)\\
=2\cdot 3^{n-1}$
となります。ただし、$a_n=S_n-S_{n-1}$ という公式は $n\geq 2$ のときに成り立つ公式です。
よって、$n=1$ のときは $a_1=S_1$ を使う必要があります:
$a_1=S_1=3^1=3$
(これは上の結果に $n=1$ を代入したものと一致しません)
以上をまとめると、一般項は
$a_1=3$、$a_n=2\cdot 3^{n-1}\:(n\geq 2)$
まめ知識、補足
・数列の和 $S_n=a_1+a_2+\cdots +a_n$ のことを部分和と呼びます。
・場合分けを忘れると大減点されるでしょう。
・解き方を覚えてしまえばワンパターンなので難しくない問題です。問題も作りやすいので定期テストに出る可能性大です、しっかりマスターしましょう!
次回は 内接円の半径を求める公式 を解説します。