対数関数 $y=\log x$ のグラフの概形をきれいに書くための6つのポイントを解説します。
y=log xのグラフ
$y=\log x$ のグラフの概形は図のようになります。グラフを書くときには以下のポイントに気をつけましょう。
ポイント1:
定義域は $x > 0$
$\log x$ は $x$ が $0$ より大きい場合にのみ定義される量です。そのため、グラフは $y$ 軸より右側にあります。
ポイント2:
単調増加
$x$ の値が増えれば増えるほど $y$ の値は増加します。これは、$\log x$ の意味を考えれば分かりますし、導関数が $(\log x)’=\dfrac{1}{x} > 0$ であることからも分かります。
ポイント3:
右側では $x$ が増えても $y$ はあまり増えない
$\log x$ は単調増加ですが、増え方は右に行くほどゆるやかになります。これは、導関数 $\dfrac{1}{x}$ が単調減少であることから分かります。
漸近線
ポイント4:
$y$ 軸が漸近線
$x$ が $0$ に近づくと、$\log x$ はどんどん小さくなります。数式で書くと、$\displaystyle\lim_{x\to +0}\log x=-\infty$ となります。
つまり、下側の方では $y=\log x$ のグラフは $y$ 軸に近づきます。
ちなみに、漸近線は $y$ 軸のみです。$y=\log x$ の右側($x\to\infty$)で漸近するような漸近線はありません。
$x$ 軸との交点、接線の傾き
ポイント5:
$(1,0)$ を通る
$x=1$ のとき、$\log x= 0$ となります。つまり、$y=\log x$ のグラフは、$x$ 軸と $(1,0)$ で交わることになります。
ポイント6:
$x=1$ における接線の傾きは $1$
$y=\log x$ を微分すると、$\dfrac{1}{x}$ です。よって、$x=1$ における微分係数は $1$ となります。つまり、$x=1$ における接線の傾きは $1$ であることが分かります。接線と $x$ 軸のなす角が $45^{\circ}$ になるように意識しましょう。この接線は $(0,-1)$ も通ります。
ポイント6はかなり細かい話なので、意識していなくてもテストで減点されることはないでしょう。しかし、よりきれいなグラフを書くことで、採点者に「こいつはできる」と思わせられるかもしれません。
次回は y=xe^xの微分、積分、グラフなど を解説します。