10ポイント増加は10パーセント増加と違う

最終更新日 2025/12/05

ポイントとは、「割合(パーセント)がどれだけ増減したか」を明確に表すための用語です。例えば、支持率が50%から60%に上がった場合、「支持率が10ポイント増加した」と言います。

ニュースや選挙報道で頻繁に耳にする「◯ポイント増加」。
しかし、なぜ「10パーセント増加」ではなく「10ポイント増加」と言うのでしょうか?
このページでは、ポイントの正しい意味とパーセントとの違いを、例を使って分かりやすく解説します。

ポイントとは何か?:割合の“差”を表す言葉

ポイントとは、パーセントの増減幅(変化量)を表す単位です。

たとえば支持率が
・50% → 60% に上がるとき
「10ポイント増加」
と表現できます。

同様に、投票率が
・50% → 45% に下がるとき
「5ポイント低下」
と表します。

ポイントは「割合そのもの」ではなく、割合の差だけに注目するための単位です。

ポイントとパーセントの違いをしっかり理解する

ポイントとパーセントは似ていますが、意味が明確に異なります。

たとえば支持率が
・50% → 60%
に変化したとします。

ここで、なぜ
10ポイント増加
と言うのでしょうか?

もし
10パーセント増加
と言ってしまうと、解釈は2つに分かれてしまいます。

1. 50% + 10% = 60%
2. 50%の10%増(50 × 1.1 = 55%)

つまり、
「パーセント増加」には2通りの意味があり、誤解が生じやすい のです。

そのため報道や統計の説明では、
誤解のない「ポイント」
が使われます。

まとめると、パーセントは割合そのもの
ポイントは割合同士の差
を表す単位です。

ポイントの使用で注意すべき点

ポイントは「割合の変化」にだけ使う言葉です。割合そのものにポイントを使うのは誤りです。

正しい例:
・支持率が10ポイント増加した

誤った例:
・今回の支持率は50ポイント(×)

ポイントは割合の差を表す単位であり、割合そのものを置き換えるものではありません。

なお、ポイントは「パーセントポイント(percentage point)」と呼ばれることもあります。

ただし一般的なニュースでは、短く「ポイント」と言われることが多いです。

関連:割合の変化を扱う計算は他の分野でも重要

ポイントの概念は統計だけでなく、マーケティングや金融の指標(成長率・シェアなど)でも重要な役割をもちます。
割合の変化を正しく理解しておくことで、ニュースの解釈やデータ分析の精度が大きく向上します。

次回は
てこの原理に関連する計算をわかりやすく解説
を紹介します。

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